5.AMD、エヌビディアともに引き続き中長期で投資妙味を感じるが、AMDは目標株価を引き下げる

 AMDの2022年1-3月期決算、エヌビディアの2022年2-4月期決算の注目点は、表1のように、高い増収率が続いているのかどうかです。エヌビディアには当面競争上のネガティブ要因はないと思われます。そのため、業績予想は変更しません。今後6~12カ月間の目標株価は前回の350ドルを維持します。

 一方でAMDについては、前述したように、今年後半以降、インテルとの競争が激化する可能性があります。ただし、プラス要因もあり、買収が完了したザイリンクスは各分野向けのロジック半導体のメーカー(FPGAの大手)なので、これのAMDへの貢献が注目されます。AMDについても業績予想は変更しませんが、目標株価は前回の200ドルを160ドルに引き下げます。昨年の高値近辺を当面の目標株価とします(ザイリンクス買収後の2022年12月期楽天証券予想EPS(1株当たり利益)3.68ドルに対してPER40~50倍の水準)。

表1 インテル、AMD、エヌビディアの四半期売上高

単位:百万ドル
出所:会社資料より楽天証券作成

表2 AMDの業績(ザイリンクス買収後)

株価 109.34ドル(2022年3月31日)
時価総額 132,739百万ドル(2022年3月31日)
発行済株数 1,230百万株(完全希薄化後)
発行済株数 1,214百万株(完全希薄化前)
発行済株数 1,664百万株(完全希薄化後、ザイリンクス買収後)
単位:百万ドル、%、倍
出所:会社資料より楽天証券作成。
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
注2:EPSは完全希薄化後(Diluted)発行済株数で計算。ただし、時価総額は完全希薄化前(Basic)で計算。
注3:2022年12月期楽天証券予想EPSはザイリンクス買収後の完全希薄化後発行済株式数で算出。
注4:会社予想は予想の中心値。

表3 AMD:セグメント別業績(四半期)

単位:百万ドル、%
出所:会社資料より楽天証券作成

表4 エヌビディアの業績

株価 272.86ドル(2022年3月31日)
時価総額 683,241百万ドル(2022年3月31日)
発行済株数 2,545百万株(完全希薄化後)
発行済株数 2,504百万株(完全希薄化前)
単位:百万ドル、%、倍
出所:会社資料より楽天証券作成。
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
注2:EPSは完全希薄化後(Diluted)発行済株数で計算。ただし、時価総額は完全希薄化前(Basic)で計算。
注3:会社予想は予想レンジの中心値。

表5 エヌビディアの市場別売上高(四半期)

単位:百万ドル、%
出所:会社資料より楽天証券作成

本レポートに掲載した銘柄:AMD(AMD、NASDAQ)エヌビディア(NVDA、NASDAQ)