原油価格が急反落する可能性

 産油国が絡む地政学的リスク発生時には、原油価格が急騰する場合が多く見られます。

 ロシアによるウクライナ侵攻は、原油産出量第3位のロシアが絡むものであり、ロシアに対する経済制裁について3月6日、ブリンケン米国務長官がテレビで「欧州諸国とロシア産原油の輸入を禁止する方向で検討している」と明言したことで原油価格が跳ね上がりました。

 原油価格はコロナ禍からの世界経済回復過程でジリ高となっていたところに、「ロシア産原油禁輸措置」が発動される可能性が高まったことで急伸しました(その後米政府はロシア産原油禁輸を決定)。

・2年週足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

 原油価格が急伸前の水準(1バレル=80~90ドル)に戻るには以下の状況が到来する必要があると思われます。

  • ロシアとウクライナによる「停戦合意」の進展
  • 米国による「ロシア産原油禁輸」に期限が設定されること
  • 米国、サウジアラビアなど主要産油国による「大幅増産」
  • 原油産出量第9位、イラン産原油の「輸出再開」
  • 同環境での一定の「時間経過」≒原油先物市場の落ち着き

 原油価格上昇時には東京市場では以下のような銘柄が注目されます。