4月の株主優待銘柄

 4月は4月29日(金)の祝日・昭和の日から連休入りします。

 そのため、4月優待は4月26日(火)が権利付き最終日、翌日の27日(水)が権利落ち日28日(木)が権利確定日と、いつもより早くなります。

 最短では4月26日(火)の大引け(午後3時)までにお目当ての優待株を購入し、27日(水)の寄り付き(午前9時)まで保有すれば、優待権利を獲得できます。

 現物買いと信用売りを行うクロス取引(つなぎ売り)で優待権利を取得する場合、5月2日(月)まで、祝日、土日を含め計5日間分の貸株料がかかってしまうので注意しましょう。

※つなぎ売りの注意点について詳しくは、楽天証券ウェブサイト『リスクを抑えて株主優待を獲得する「つなぎ売り」について』をご覧ください。

 2月、3月の優待株祭りが終わり、4月の優待株は全部で28銘柄(楽天証券 株主優待検索より)。年間で最も少ない月です。

 2022年に入って株価急落が続いていますが、旅行割引券や美容器具の買物割引券、食事券など生活やレジャーに役立つ実用性の高い優待が多いのが特徴。

 トップ20の中では、くら寿司の飲食割引券(100株で2,500円分)、伊藤園や正栄食品工業の自社製品(伊藤園は100株で飲料1,500円相当。正栄食品工業は100株で4月末、10月末にナッツ類やチョコレート菓子の詰め合わせ)などもファンの多い人気優待です。

 いちごオフィスリート投資法人のJリーグ観戦チケット抽選応募権優待や、総菜大手ロック・フィールドのお総菜券優待も根強い人気があります。

 そんな少数精鋭の4月優待人気No.1は、旅行代理店のエイチ・アイ・エス。4月末、10月末に100株保有で旅行商品などに使用できる優待券2,000円分の他、ハウステンボス入場割引券500円分などが贈呈されます。優待券は同社の旅行商品1万2,000円以上で1,000円分、2万4,000円以上で2,000円分を上限に使用できます。

 新型コロナウイルス禍による旅行客の激減や2021年12月に発覚した子会社による「Go To トラベル」給付金不正受給の不祥事などで、同社の株価は2,000円前後まで急落しました。

 2021年10月期の純損益は500億円の赤字。2022年10月期の業績予想は未定です。財務健全化のために巨額増資を行い株式数が増えたため、今後は株価が上昇しにくい可能性もあります。

 ただ今年春以降は新型コロナの変異株「オミクロン型」の感染が収束に向かい、同社の収益源である海外旅行需要が復活する可能性も。業績回復に期待したいところです。

 第2位は美容機器メーカーのヤーマン。4月末に100株・1年未満の保有で、5,000円分の株主優待割引券が贈呈されます。1年以上2年未満では7,000円分、2年以上5年未満だと1万円分と保有期間に応じて、かなり高額になるのも魅力です。割引券は同社直販ウェブサイト「ヤーマンオンラインストア」での商品購入に使えます。

 第3位は人材派遣会社のギグワークス。株価が下落したため、投資金額約4万円で買えるようになったこともあって、昨年から順位が急上昇しました。

 4月末、10月末に100株以上保有で年2回、おもちゃや子ども用品などの購入に使用できる「こども商品券」1,000円分や同社グループがマイニング(仮想通貨の取引承認に必要な複雑な計算を行い、成功報酬として仮想通貨を割り当てられること)した仮想通貨「ビットコイン」1,000円分などから選んでもらえます。

 仮想通貨優待は、同社の他に金融業界で実施している企業があります。まだ珍しいですが、今後は普及するかもしれません。

 第4位は三井物産グループも経営に参画する総合型J-REIT(ジェイ・リート:国内の不動産投資信託)の投資法人みらい。同社は新型コロナの影響が顕著なホテル業界を支援する目的で、優待制度を導入。

 4月末、10月末に1口以上保有する投資主に一律で、全国各地の「グリーンズホテルズ」「チョイスホテルズ」「ホテルウィングインターナショナル」の宿泊割引が受けられる優待を提供しています。

 第5位は、業務用厨房機器販売のテンポスホールディングス。同社傘下の「ステーキのあさくま」で使える1,000円分の食事券8枚などが贈呈されます。食事券は同社が取引する全国の協力店でも利用可能。東京23区では居酒屋「串屋横丁」などで使えます。

 店舗ごとに利用条件の違いがあるので、同社ホームページの「株主優待券を利用できる店舗はこちら」をご覧ください。

 第6位は九州を地盤にブライダル事業を展開するアイ・ケイ・ケイホールディングス。4月末100株保有の場合、1,500円相当のお菓子の他、高級フレンチレストランの優待券3枚がもらえます。

 利用可能なレストランは、高級フレンチの「ラ・ロシェル」3店舗(福岡店、南青山店、山王店)、同社のレストラン施設「キュイジーヌ フランセーズ ラ・シャンス」などの全国7店舗。割引率は店舗やメニューにより異なりますが、ランチは1,100円割引、ディナーは2,200円割引などお得度高め。高級フレンチを堪能してセレブ感覚が味わえる優待として、女性投資家などに大人気です。

 第7位は回転寿司チェーンのくら寿司。4月末に100株保有すると、同社が展開する「くら寿司」や「無添蔵」で利用できる2,500円分の優待割引券が贈られます。会計1,000円ごとに500円分の利用が可能です。

 第8位は遺影写真や個人向け写真集サービスのアスカネット。4月末に100株保有で、同社のフォトブック作成サービス「MyBook」などで使える1,000円割引券1枚がもらえます。