4月から市場区分変更!優待株への影響は?
4月優待は、4月4日に東京証券取引所が「プライム」(1,841社)、「スタンダード」(1,477社)、「グロース」(459社)(上場銘柄数は日本取引所グループが2022年1月11日に発表したもの)という新市場区分に変更になって初の優待となります。
新市場創設で上場維持に必要な株主数が少なくなったため、株主優待制度を廃止・変更する企業が増えるのではないか、と危惧されています。
かつて東証1部の上場維持には2,000人の株主が必要でした。しかし、新設されるプライム市場は株主数800人以上で新規上場や上場維持が可能。スタンダード市場は400人以上、グロース市場は150人以上と、かつてに比べると株主数の要件が大幅に緩和されています。
実際、2月14日には、人気優待株だったJT(日本たばこ産業:12月末に100株1年継続保有で自社商品2,500円相当)が優待廃止を表明して、衝撃が走りました。
とはいえ、上場維持に必要な株主数の引き下げは、新市場移行をにらんで、すでに2020年11月から実施されていたこと。
つまり、株主優待制度を取りやめたい企業の多くはすでに廃止していてもおかしくありません。優待制度を導入している銘柄の数は2019年をピークに減少し、現在、約1460銘柄(楽天証券 株主優待検索より)ですが、「激減」というほどではありません。
JTが優待廃止を表明した2022年2月14日には、新たに紀文食品が9月末、300株の保有で3,000円相当の自社商品詰め合わせ優待の新設を発表するなど、新たに優待を始める企業もあります。
2022年は米国の金融引き締めやロシアのウクライナ侵攻の影響で、株式市場が軟調に推移し、優待株の多くも打撃を受けています。
しかし、日本独特の株式投資の楽しみといえるのが株主優待制度。新市場でも、よりよい形で発展・進化していくことを期待したいものです。