ちりも積もれば山となる、といいますが…

「ちりも積もれば山となる」ということわざがあります。わずかなほこりと思っていても集めていけば山になってくる、という意味から、小さな無駄遣いを戒めることわざとしてよく使われます。

 といっても、今どきちりとりとほうきでほこりを集めるような掃除はしないと思います。それにちりやほこりがたまっても別にうれしくありませんから、ことわざの重みもあまりピンときません。それよりは、一獲千金の夢を追うことの方が気分が上がります。

 しかし、今のような時代だからこそ、改めて「ちりも積もれば山となる」を見直してみてはどうでしょうか。

 実は毎日の小さな無駄遣いは、「老後に2,000万円」を支えるほどのインパクトがあるかもしれません。

1日数百円の積立投資をシミュレーション

 ことわざというのは汎用(はんよう)的な言い回しだったり理念的だったりして、具体的なインパクトにかけるところがあります。

 そこで、より具体的に言い換えてみたいと思います。こんな感じです。

  • 1日1杯のカフェラテくらいの節約を意識する
  • 積もり積もったお金を定期的に積立投資する
  • 投資信託を使って国内外に分散投資をする
  • 中途解約をせず、長期積立分散投資をする

 スターバックスのカフェラテ(トールサイズ)が現在418円(税込)です。これを30日貯蓄すると1万2,540円になります。そこで月1万2,000円をためることとし、これを年4.0%で増やせたとします。

 40年後の積立元本は576万円です。毎日コーヒー一杯くらい、と思っていると人生を通じて割と大きな金額になっているわけです。これに年4.0%のリターンを乗せた最終受取額は1,418万円まで増えています。

 皆さんの会社の退職金を上乗せすれば合計で2,000万円を上回ることは確実です。カフェラテ積立のリターンが年5.5%まで高まればこれだけで2,089万円になります。

 まさに「カフェラテ1杯も積もれば、老後に2,000万円となる」というわけです。