最悪の事態が起こったところが底となった事例
最悪の事態が起こったと世界中が思ったところが大底だったということは過去にいろいろあります。1つだけ例を挙げます。2016年6月23日の英国民投票です。英国がEUに残留すべきか離脱かを問う国民投票が実施されました。離脱支持が51.9%、残留支持が48.1%の僅差で、EU離脱が選択されました。
NYダウと日経平均、2016年の動き
事前の市場予想では、残留に決まると見られていたので、ネガティブサプライズとなり、世界の株式市場はショック安に見舞われました。ところがそこが大底で、2016年の7月以降、世界の株式市場は急反発しました。
英国のEU離脱が可決され、「戦後築かれてきた自由主義・グローバリズムが否定され、米国や英国を始めとして、世界がいっせいに孤立主義に走る」と懸念が広がる中、さらに、英国がEU離脱を決めると、英国にもEUにもリーマンショック並みのダメージが及ぶとの見方もある中、世界の株式市場は急反発していきました。
後から振り返ると、英国がEUを離脱しても、リーマンショック並みのダメージはありませんでした。世界経済は、2016年初の停滞局面を脱し、2016年後半にかけて回復色が強まりました。世界経済の回復を織り込んで、世界の株式市場は上昇したのです。