今後、投資してみたい金融商品・国(地域)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲

 今回は、毎月実施している質問「今後投資してみたい金融商品」で、「国内株式」「投資信託」「ETF」を選択した人の割合に注目します。

 質問「今後、投資してみたい金融商品」は複数選択可で、選択肢は、国内株式、外国株式、投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(リート:不動産投資信託)、国内債券、海外債券、FX(外国為替証拠金取引)、金やプラチナ地金、原油先物、その他の商品先物、金先物取引、特になしの13項目です。

図:「国内株式」「投資信託」「ETF」を選択した人の割合 

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成

 1月の調査では、「国内株式」を選択した人の割合が51.9%、「投資信託」は42.4%、「ETF」は35.5%でした。「国内株式」は2008年10月の統計開始以来の最低水準、逆に「投資信託」と「ETF」は最高水準です。

 2016年の年末に始まった、長期視点での米国の主要株価指数の上昇により、米国株の人気が上昇。それに伴い、関連する商品をそろえている「投資信託」や「ETF」の人気が高まりました。

 足元、米国で金融緩和縮小が早期に完了する、利上げが早期に始まる、などの観測から、米国の主要株価指数の動向はやや不安定化しているものの、それでもなお、「投資信託」「ETF」を「今後投資してみたい金融商品」に位置づける方が多いようです。

 過去の動向をみると、「国内株式」における下限はおおむね50%(過去最低は2021年12月の48.12%)、「投資信託」における上限はおおむね45%(過去最高は2014年9月の47.0%)です。

「国内株式」が下限を下回るかどうか、「投資信託」が上限を上回るかどうかが、今後の注目点ですが、そのカギを握るのが、「米国の主要株価指数の動向」だと筆者は考えています。

 米国の主要株価指数が大きく反発した場合、関連する商品をそろえている「投資信託」(「ETF」も)への関心が強まり、上限を上回る。相対的に「国内株式」への関心が薄まり、下限を下回るというシナリオが考えられます。

 逆に、米国の主要株価指数が大きく反落した場合、関連する商品をそろえている「投資信託」(「ETF」も)への関心が薄まり、上限を上回ることができずに反落する。相対的に「国内株式」への関心が強まり、下限から反発するというシナリオも考えられます。

 米国の主要株価指数の動向をにらみながら、「今後投資してみたい金融商品」における「国内株式」「投資信託」「ETF」の動向に、注目していきたいと思います。

表:今後、投資してみたい金融商品 2022年1月調査時点 (複数回答可)

出所:楽天DIのデータより筆者作成

表:今後、投資してみたい国(地域) 2022年1月調査時点 (複数回答可)

出所:楽天DIのデータより筆者作成