今日の為替ウォーキング

今日の一言

指図したり注意したりすることで人々を導こうとしてはならない。自ら実践してみせることだ

Put Your Records On

 世界中でオミクロン株の感染者が爆発的に増えています。日本も「第6波」に完全にのみこまれ、1月1日時点で1日534人だった国内感染者数は、2月8日時点では1日92,700人以上まで拡大しています。コロナ終息までにまだ数年以上かかるという悲観的な見通しもでています。

 さて、戦国時代、天下人であった豊臣秀吉のお伽衆(話し相手)の一人に、曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)という刀の鞘師がいました。彼の作った鞘は刀をソロリと包み込みピタリと合うので、「曽呂利」という異名で呼ばれるようになったそうです。彼は非常に頭の切れる人物でした。

 あるとき、秀吉から「褒美に何が欲しいか?」と聞かれた新左衛門は、少し考えてからこう答えました。「初日は米1粒、2日目は2粒、3日目は4粒、4日目は8粒というふうに、1粒から始めて100日間、前日の倍の数の米粒をいただけますでしょうか。」これを聞いた秀吉は「なんと欲のない奴だ。そんなもので良いのか」と安請け合いをしました。ところが、すぐにとんでもない約束をしてしまったと困り果てることになったのです…。

 新左衛門の申し出通りに米粒を与えると1週間目はたった64粒。2週間経ってもようやく8,192粒で、一合(約6,500粒)を少し超える程度にしかなりません。ところが、1カ月後にはなんと5億粒を超え、およそ200俵に相当する米を与えなくてはいけないことになる。1俵は約60キログラムなので、200俵は重さにすると12トンになります。51日目には、現在の日本の総生産量(約850万トン)さえも超えてしまいます。約束の100日目には…想像するのもおそろしい量になります。

 さて、初日の米1粒を、新型コロナの最初の感染者に置き換えてみます。最初1人の感染者が1日に2人移したとして、2日目は2人が4人、3日目は4人が8人と感染が広がっていくと仮定するならば、2週間後の感染者は8,192人となり、計算上は1カ月後に5億人まで感染が広がることになります。

 等比数列は、初項にある一定の数(公比)をかけ続けていった数列です。上の例では、感染者1人(初項=1)が2人(公比=2)にウイルスを移すと仮定して、感染者は2人、4人、8人、16人…と、2週間後には感染者が8,192人になる計算ですが、最初に感染者が3人いたなら(初項=3)、感染力が2人(公比=2)で同じだとして、感染者は、3人、6人、12人…と14日間で24,576人まで増えます。

 オミクロン変異株は感染力が強いといわれています。つまり等比数列の公比が大きくなるということ。3人感染者がいて感染力が3人(公比=3)に強まるとすれば、14日間で感染者は4,782,969人まで増加。感染力が4人なら同期間で201,326,592人まで増えて、日本の人口をあっという間に超えてしまいます。3月末までに世界の人口の5割から8割がオミクロン株に感染するという予測もあります。

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成