弱い米国1-3月期GDP予想

 ゴールドマン・サックスは、1月31日、2022年のGDP(国内総生産)見通しを3.8%から3.2%に引き下げました。財政支援策が削減され、新型コロナウイルスのオミクロン変異株による感染拡大が重しとなる中、米経済成長は年初に急減速する可能性が高いとの見通しです。

 1-3月期GDP予想も、年率で+0.5%と従来の+2.0%から下方修正しました。

 感染拡大の影響を受けやすいサービスへの支出が12月上旬から急激に減少しているためとの説明ですが、かなり大きい下方修正となっています。ただ、オミクロン株の感染拡大からの回復は早いだろうとの予想もしています。

 同じように速報性でマーケットが注目しているアトランタ連銀のGDPナウは、1月28日時点で、1-3月期は+0.1%を予測しており、ゴールドマンより弱気でみています。

 FOMC後のドル/円の動きが116円台に上昇せず、115円割れとなっているのは、FRBのインフレを全力で抑えるとのメッセージをマーケットがいまだ消化しきれていないのか、あるいは、金融引き締めが景気を下押しさせるのではないかとの警戒感、あるいは景気減速の兆(きざ)しによってFRBがタカ派色を弱めるのではないかとの気迷いがマーケットに漂っているのかもしれません。

 2月のドル/円は一本調子のドル高・円安が続くのではなく、ウクライナ情勢への警戒感が続く中、3月のFOMC(15~16日)への期待と思惑が交錯する展開となりそうです(2月は、FOMCは開催されません)。