2022年のマーケットを占う:DataTrekのアンケートより
2022年を迎え、さまざまなメディアなどで今年の相場を占う予想を目にされていることであろう。イーロン・マスク氏も指摘しているように、経済予測は難しいものの、投資家が今年の相場をどのように見ているのかは参考になるに違いない。
以下は、マーケット情報を提供するDataTrek Researchがまとめた投資家アンケートの結果である。一部を抜粋して共有させていただく。
2022年のS&P500種指数のパフォーマンスはどうなるか?
大半の回答者(61%)は、米国大型株は5~10%の上昇(42%)か、横ばい(19%)と見ている。米国株の平均リターン11%程度の上昇が今年もあると見ているのは20%にとどまった。総じて相場の先行きに対して慎重に見ているようだ。
2022年末の米国10年債利回りはどの程度になるか?
多くの回答者が今年の米国長期金利は上昇すると見ている。金利が現在の水準にとどまるか、さらに低下すると思うと回答した人の割合はわずか14%であった。一方、73%は米国の長期金利は1.5~2.5%に上昇すると考えている。
2022年に最も高いパフォーマンスになるのはどのセクターか?
テクノロジー株がトップとなるのは驚くことではないだろうが、次に割合の高かったエネルギーと金融を合計すると(39%)テクノロジーを上回っているのには要注目である。このことは、投資家が今後、米国株の循環物色を想定していることを示している。
FRBは2022年に何回金利を引き上げるか(毎回25ベーシスポイントの動きを想定)?
回答者の大半は、現在のFRB(米連邦準備制度理事会)の見通しと一致して2〜3回の利上げになると見込んでいる。
2022年12月時点のインフレはどの程度になるか?
8割を超える回答者が、インフレ率はFRBの目標である2.0%をはるかに上回ると考えている。
2022年に最もパフォーマンスの高いアセットクラスは何か?
米国の大型株とする回答者が4割を超えており、今年も米大型株に対する信任は強いようだ。米国を除く先進国株と金と答えた割合はいずれも7%となった。
●金利が上昇すると、負債返済額が増加し、将来の生産的投資が減少
●多くの企業の自社株買い計画や配当金の支払いは、安い借金を利用して行われる
●企業の設備投資は、低い借り入れコストに依存している
2020年3月以降にあった多くの追い風が、今後は逆風になる。重要なのは、不経済な自社株買いを行った企業は、財務上の損失、負債の増加、将来の成長機会の減少に直面することである。
株価上昇に賭ける投資家にとって最も大きなリスクは、FRBではない。むしろ、「自社株買い」の逆転現象であろう。
過去10年間の自社株買いが市場に与えた影響:40.5%が自社株買いによるもの