今年も米国市場にサンタクロースがやってきた
S&P500種指数は23日に続き27日も最高値を更新。今年の高値更新は合計69回目を数え、年初来上昇率は27.6%となりました。11月中旬以降のオミクロン騒動やFRB(米連邦準備制度理事会)のタカ派変節を受けた株価調整を乗り越え、米国株は高値圏で年末を迎えそうです。
米国市場でアノマリー(季節性)とされる「サンタクロースラリー」は健在でした。年末年始に、金融政策の正常化や感染症拡大を巡る不安で株価が揺れる可能性も想定されます。
ただ、OECD(経済協力開発機構)は12月1日、「目先のインフレよりも景気回復を重視して金融引き締めを急ぐべきではない」と指摘して注目されています。また、昨年と異なり米国市場が「流動性(金融)相場」から進んで「業績相場」に移行している現状にも注目したいと思います。
図表1は、S&P500と暦年ベースのEPS(1株当たり利益)の長期実績と市場予想平均(2021年、2022年、2023年)を示したものです。
2021年の企業業績は2020年の落ち込みから大きくリバウンドして過去最高益を更新。経済成長が続くことによる増収、生産性改善、自社株買い効果の相乗効果で2022年、2023年も最高益を更新するとみられます。
新年もS&P500はさらなる高みを目指す動きが期待できそうです。筆者は、2022年末までに5,000、2023年末までに5,500ポイントを上抜ける展開を予想しています。