景気敏感株とディフェンシブ株の特徴
株式市場における投資家の行動は個別株において「物色」と表現されます。ある時は「景気敏感株が買われている(売られている)」、またある時は「ディフェンシブ株が堅調だ(軟調だ)」という具合です。
景気動向に業績が左右されやすく、故に積極的な売買の対象になりやすいのが「景気敏感株」で、化学、鉄鋼、非鉄、機械、電機、精密、輸送用機器、商社、銀行、証券、不動産など多くのセクターがそれに該当します。
代表的な銘柄としてソニーグループ(6758)、トヨタ自動車(7203)、日立製作所(6501)などを挙げることができます。
対極に位置するのは比較的業績が景気動向に左右されにくい「ディフェンシブ株」で、水産、食品、医薬品、電力・ガス、電鉄などがそれに該当します。
代表的な銘柄はキッコーマン(2801)、味の素(2802)、JT(2914)、第一三共(4568)、テルモ(4543)などですが、足元、コロナに関連する医薬品株の中には新薬開発期待によって大きく株価が動くものが見られ、ディフェンシブ株というよりは材料株寄りになっているものもあります。
今の東京市場で完全なディフェンシブ株と言えるのは「食品」、「電力・ガス」くらいかもしれません。
景気敏感株とディフェンシブ株は注目される時期が異なる場合がほとんどです。景気が回復・拡大する局面では景気敏感株が注目され、景気が後退する局面などにディフェンシブ株の優位性に目が向くと理解するのがいいでしょう。
ただ、常に正反対の動きをするわけではなく、全体相場の急伸時にはどちらも買われ、急落時にはどちらも売られることになっています。
「コロナ相場」ではコロナが景気に与える影響が意識されることから、景気敏感株への注目度が高く、ディフェンシブ株が活躍するシーンはあまり見られていません。
ディフェンシブ株の株価が目立って上昇するケースとして、景気動向がそれほど意識されず、個別株よりも指数などインデックス投資が主流となる時に、相対的に売買が少なく、売りものも少ないディフェンシブ株の株価が(結果的に)上昇するというケースが想定されます(=同じように買われると売りものが少ない銘柄がより上昇する)。
その場合も、投資資金がディフェンシブ株を選好したというわけではなく需給的な要因がもたらした結果であり、それほど話題になることもありません。
東京市場では景気敏感株の数が多く、物色の軸足はやはり景気敏感株となり、それらが上昇一服するような局面や、景気敏感株を手掛けにくい局面でディフェンシブ株が注目されることになると理解するのがよさそうです。
ここでは「景気敏感株」「ディフェンシブ株」から10万円で投資できる銘柄を例として挙げておきます。