2022年、来年の円安シナリオ

 来年も円安が続くと予想する見方が多いようですが、そのシナリオは以下のようなシナリオとなっています。

『供給不足や人手不足は来年も続き、物価は高止まりすることが予想され、この物価上昇を抑えるためにFRBは金融緩和正常化を前倒しで進める。政策として、テーパリングを加速させ、来年の2月か3月にテーパリングが終了し、6月には利上げが開始され、年末までに2、3回の利上げが行われる。その結果、金利は上昇し、ドル高・円安が進行する』というシナリオです。

 このシナリオは、前回2014年のテーパリング開始から利上げ開始までの期間と比べるとかなり速いペースで金融正常化が進むことが前提となっています。

 前回2014年1月から始まったテーパリングは10カ月かけて終了し、利上げ開始はテーパリング終了後14カ月たってからです。つまり、テーパリング開始後24カ月目に利上げが開始されました。

 今回のシナリオだと、来年6月の利上げはテーパリング開始後8カ月目に利上げということになります。かなりの速いペースです。

 今回、このようにかなり速いペースで金融正常化が進むのではないかとの見方は、足元のインフレの上昇が止まらず、一時的ではなく長期化するとの懸念がFRB内でも主流になったことが背景にあります。

 そして、現在のドル/円は、このことを織り込んだ結果、115円台半ばまで上昇したということになります。