つみたてNISAは損失のヘッジがしにくい
つみたてNISAは、1年あたりの積立額がそれほど大きくないので、最初のうちは投資した投資信託の価格が下がっても、金額的に多大なダメージは受けにくいものです。しかし、積立期間が長くなると、累計額も膨らみますから、投資信託の値下がりによる損失も大きくなってしまう可能性があります。
ところが、つみたてNISAは上場していない投資信託に投資しますから、通常のNISAのように、同じ株式を空売りしてヘッジすることが難しいのです。特に、インデックスファンド(パッシブファンド)ではなくアクティブファンドの場合は、それと同じ動きをして、かつ空売りできるものがありませんので、値下がりのヘッジがしにくくなります。
したがって、ETF(上場投資信託)を空売りしてヘッジするなどの次善の策で対応するしかなさそうです。これをするだけでも、ある程度のヘッジ効果はあるはずです。
なお、インデックスファンドであれば、それと同じインデックスを投資対象としたETFがあることが多いので、それを空売りすればヘッジすることができます。
また、数は少ないですがETF自体をつみたてNISAの運用商品として選択できるようなので、その場合は全く同じETFを空売りすればヘッジが可能です。
株式投資や金融資産運用で個人投資家が失敗する最大の要因は、投資した株式や投資信託が大きく値下がりすること。これはNISAやつみたてNISAを活用して投資していても同じように起こり得ます。
確かに税制面での優遇措置がNISAやつみたてNISAの魅力ではありますが、大きく値下がりする可能性に備え、しっかりと対応できる態勢を整えておきましょう。