投資だから当然リスクもある!

 ところで、NISAやつみたてNISAを活用することは投資することですから、当然、リスクがあります。最も大きなリスクが、投資した株式や投資信託が値下がりし、元本割れすることです。

 NISAもつみたてNISAも、利益に対しては非課税ですが、損失が生じた場合の手当は何もなされていない点に注意が必要です。

 FPなどの専門家の方の多くも、この点にはあまり深く突っ込んで話していないようですが、投資である点は変わりありませんから、NISAやつみたてNISAを使わない場合の投資と同様のリスクがあることは忘れてはなりません。

 なお、2024年からNISA制度は大きく変わることになっています(年間非課税枠120万円→積み立て部分20万円+一般枠102万円の2階建てへなど)が、本コラムでは改正前の現行制度でご説明します。

NISAなら値下がりリスクをある程度回避できる

 実は大変お恥ずかしながら、筆者もNISA口座で購入した株式の中に、値下がりして含み損を抱えているものがいくつかあります。では、これをがっかりしながら、ただ我慢しているのかといえば、そんなことはありません。

 NISA口座を使わない場合の、筆者の通常の投資手法は株価が値下がりして下降トレンドに転じたら、その株式自体を売却してしまいます。しかし、NISA口座で購入した株式を売却したら、その後は非課税の恩恵を受けることができません。

 そこで筆者が行っているのは、NISA口座で購入した株式が値下がりして下降トレンドに転じたら、株式を保有したまま、それと同じ株式を同じ株数だけ空売りして、それ以上の値下がりをヘッジするという方法です。

 こうすれば、株価が大きく値下がりしても、空売りによる利益で約80%はカバーできます。利益に対して20.315%の税金と、空売りのコストがかかるため、値下がりを100%ヘッジすることはできません。でも、80%のヘッジができれば、NISA口座での利益非課税の恩恵を考えれば、悪くないと思います。

 したがって、筆者がNISA口座で購入するのは、原則として空売りができる銘柄に絞っています。新興市場の小型株などは、空売りができませんので注意してください。