欧州はダブルパンチ

 オミクロン株は欧州でいち早く拡散していますが、忘れてはいけないのは、欧州ではこのオミクロン株発表以前に、すでにデルタ株の感染者が急増していたということです。

 一日の感染者数が過去最多の国が相次いだことから、各国でデモや暴動が起こるほどの経済規制の動きが出ていたということです。

 この規制の動きによって欧州経済の停滞が懸念されていたのですが、今回の新しい変異株、オミクロン株の流行次第では、欧州経済は相当ダメージを受けることが予想されるため、特にユーロの動きには要注目です。

今年は静寂なきクリスマスシーズン?!

 オミクロン株については現在分析中のため、感染力や重症度がどの程度強力なのかその正体はまだ分かりませんが、さまざまな報道が流れているため注意が必要です。30日、モデルナ社のCEO(最高経営責任者)は既存のワクチンの効果が低くなると述べました。

 この発言を受けて米株は急落し、ドル/円も112円台半ばまで急落しました。一方でファイザー社のCEOは、もし既存のワクチンの効果がないことが分かれば、100日以内でワクチンを開発できるだろうとの見通しを示しました。

 米国の感謝祭が終わるとクリスマスシーズンに入り、投資家が休暇を取り始めることからマーケット参加者が少なくなり、相場は閑散となるのが従来のパターンです。

 しかし、今年の12月は静かなクリスマスシーズンに入るというよりも、来年に向けた思惑が交錯し、オミクロン株のニュースのヘッドラインによって荒れそうな12月になるかもしれません。

 そして注意すべきは、マーケット参加者が少なくなるため、相場が大きく動きやすいということにも留意しておく必要があります。