今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは115.75円
↓下値メドは113.55円
(インフレ)世界経済はインフレリスクの時代に入った。中央銀行は厳重警戒が必要 – IMF報告
(経済データ)経済指標の「季節調整」は、もはや意味がない。コロナで経済の季節性は失われた。
16日(火曜)のドル/円は大幅「円安」。高値114.85円、安値114.06円、1日の値幅0.79円。
「東京午前のうちに、その日の高値(安値)が決まってしまう。」これが最近のドル/円あるあるパターン。12日(先週金曜)は高値をつけて下落、15日(月曜)は安値をつけて上昇。では火曜日は?
この日は14.10円からスタート。東京市場開始15分後につけた114.06円が安値。それからはうしろを振り返ることもなく上昇を続け、NY時間には114.50円を超えて年初来高値の114.70円を更新。さらに114.85円まで上値を伸ばしました。終値は114.82円(前日比+0.69円)
この日発表された米国の10月小売売上高は、前月比+1.7%と予想を上回る強い伸び。米国は世界一の消費大国であり、個人消費が米国GDP(国内総生産)の約70%を占めています(日本は50%)。小売売上高の強さは、すなわち米経済の強さです。さらに米国の個人消費は世界のGDPの約17%を占めているため、世界経済に与える影響も大きいといえます。
ブラード・サンフランシスコ連銀総裁がこの日、FRB(米連邦準備制度理事会)の緩和縮小に関して、「ペースを速める可能性がある」と発言したこともドル高要因。米利上げ前倒しを暗に支持しているも内容であり、ブラード連銀総裁は来年のFOMCでは投票権を持つため、発言が重視されました。
ドル全面高のなかでユーロの下落が目立っています。
この日は東京時間につけた1.1386ドルが高値で、1.14ドル台には戻るそぶりもなく、NY時間夕方までかけて1.1309ドルまで下落。昨年7月以来の安値を更新して、1.12ドル台に接近中です。終値は1.1318ドル(前日比▲0.0050ドル)。
ユーロ安はドル高もありますが、欧州景気の先行き不安も理由。ドイツがロシア産のガスを運ぶ海底パイプライン「ノルドストリーム2」の認可プロセスを停止したことで、欧州の天然ガス価格が一気に9%も急騰。背景には、難民問題を巡りドイツとベラルーシの協議が難航していることがあります。欧州では新型コロナ感染拡大や、流通網の目詰まりによる品不足でクリスマス商戦の影響が懸念材料。そのなかでのエネルギー価格上昇はさらに景気見通しを悪化させることになります。