配当金が減らされるとダブルパンチのダメージを受けることに

 配当利回りがかなり高い銘柄に投資する場合、失敗するとダブルパンチのダメージを受けてしまう可能性が高いので、十分注意してください。

 なぜなら、配当利回りが高い銘柄は、大きな額の配当金を受け取れることが魅力となって株価が形成されています。

 そうした状況で、業績悪化により配当金が減らされると、まず業績悪化により株が売られ、さらに配当金が減らされることで株が売られるという二重のダメージを受けることになってしまうのです。

 現在はヤマダホールディングス(9831)の子会社になり上場廃止となった大塚家具は、数年前の配当利回りランキングで首位を飾っていました。

 その時の配当利回りは8%前後でした。しかし、株価は値下がりを続けました。

 やがて、業績悪化により配当金の額が減らされ、最後には無配となってしまったのです。この間、株価は大きな下落となりました。配当金目当てで大塚家具の株を買った人は、かなりのダメージを受けたのではないかと思います。

配当利回りが高いのに株価が下落している銘柄は特に注意

 個人投資家の中には、「株価下落=割安になった」と判断する方も少なくないと思います。でもその考え方は極めて危険です。

 もし、株価が大きく下落する前と後とで、企業の実態やファンダメンタルズに何も変化が生じていないのであれば、株価下落は割安になったと素直に考えてよいでしょう。

 ところが、実際は企業実態やファンダメンタルズに変化がないのに、株価が大きく下がることは「◯◯ショック」のような株式市場全体の株価急落時を除いてはまず考えにくく、企業実態やファンダメンタルズの悪化を懸念して、株価が下落していると考えるべきです。

 このことは配当金にも言うことができます。株価が下落を続けていることにより配当利回りが上昇したような場合、これは決して割安になったのではなく、配当金が将来減らされるリスクが高まったため、株価が下落していると考えるべきなのです。

 現に、配当利回りが高いにもかかわらず株価が下落している銘柄を見ると、その後、実際に配当金が減らされるケースが多いのです。それにより再び株価下落…という負のスパイラルにはまってしまいます。

 そもそも「株価下落=割安」になったわけではなく、割安に見えるほど株価が下落していること自体に危機感を感じる必要があるのです。