習主席は不動産バブル崩壊を期待。しかし、経済基盤まで揺るがす可能性も
習近平主席は「住宅は住むために建てられるものであり、投機の対象ではない」として不動産バブルの崩壊をもくろんでおり、習主席が掲げる「共同富裕」社会を実現するために一気にかじを切り替えました。
その実現のために市場にショックを与えるだけならいいのですが、バブル崩壊の仕方によっては中国の経済・社会基盤を壊してしまうことになりかねません。
もちろん、そうなれば世界経済は大きな影響を受けることになります。権力基盤の強化を目指す習主席が中国の経済・社会を壊すようなやり方をするとは思えませんが、中国当局の出方が注目されます。
先日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が当局の話としてテーパリングのスケジュールを報じました。
そのスケジュールとは、「9月21~22日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)でテーパリングの合意形成、11月2~3日開催のFOMCで着手、2022年半ばで終了」との見方ですが、この見方がマーケットのコンセンサスとして浮上してきています。
しかし、この「中国版リーマンショック」になるかもしれない事態を見極めるまでは、このスケジュール感を先延ばし、あるいはスケジュールには何も触れない可能性もあります。
ただ、今回のFOMCで公表される金利見通しは、2023年、2024年だと中国リスクの影響を受けにくいと判断し、2023年の利上げ回数が増えたり、2024年の利上げなどタカ派になったりするシナリオも想定されるため、注意する必要があります。
2024年の金利見通しは今回初めての見通しとなります。
今週の23日、恒大集団は社債の利払いを迎えますが、23日の早朝(午前3時)はFOMCの結果が発表されます。しかも日本は祝日であるため、警戒すべき一日となりそうです。
そういえば、36年前の1985年9月22日のプラザ合意は、翌日が日本は祝日(秋分の日)だったことを思い出しました。合意後初めてオープンする東京市場は祝日でしたが、アジア市場や欧米市場で為替は大きく動き始め、歴史の1ページが開かれました。