米国高配当株2:ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)

 世界最大級の通信技術企業で、世界中で事業を展開しています。

 ベル・アトランティック社とGTE社が米国のビジネス史上最大規模の合併を行い、2000年6月30日に誕生しました。また、5G(第5世代移動通信システム)モバイルネットワークを開始した世界初の企業でもあります。

 時価総額は2,260億ドルで、日本円で約24兆9,000億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は消費者向け(Consumer)で、続いて商業向け(Business)、法人その他(Corporate and other)となります。

出所:決算データより筆者作成

 消費者向けの事業ではスマホなどのデータ通信を「Verizon」ブランドで提供し、家庭でのインターネット回線などは「Fios」のブランドでサービスを提供しています。

 また、商業向けの事業ではセキュリティーサービスや、ネットワークインフラサービスを提供しています。

競合他社

 競合他社として、ブロードバンド接続会社であり、米国41州で約3,100万人の顧客にサービスを提供するケーブル事業者であるチャーター・コミュニケーションズ(CHTR)、ワイヤレスの音声およびデータ通信製品とサービスを、住宅、中小企業、および企業顧客に提供するBCE(BCE)、消費者事業、無線事業、ビジネス・ネットワーク・サービス事業およびビジネス・インフラ・サービス事業を運営するショー・コミュニケーションズ(SJR)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年2020年の高値まで回復していませんが、配当はコロナ禍でありながら14年連続増配中です。

 昨年、新型コロナの発生を受けて一時的に株価は下落しましたが、その後上昇し、以降一定の範囲で株価は推移しています。

 日本の通信会社同様、大きく業績が急上昇する事業ではないのですが、一方で通信料がベースとなっていることもあり、業績は堅調で株価も他業種に比べて変動が少なく推移しています。

業績動向

 2021年7月21日開示の四半期決算ではEPS・売上高ともに市場予想を上回りました。

 5Gデバイスの利用拡大や、プレミアム無制限プランの利用拡大など、ワイヤレスサービスの利用増によって業績は堅調に推移しています。

 今後、5Gネットワ​​ーク構築のためのさらなる設備投資が予定され、負債が増加する見込みです。しかし、一方で継続的な成長に必要な先行投資でもあり、今後5Gで他社に先行することで新たな顧客獲得の可能性につながり、それによってさらなる業績拡大が期待されます。

 次回は10月20日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 米国の長期金利の動向によっては株価の変動が大きくなる可能性があり、その点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当:2.56ドル
配当利回り:4.69%
株価:54.62ドル(約6,000円)

 権利落ち日は10月7日(権利実施は11月1日)です。

 配当は2.56ドル、配当利回りは4.69%、株価は54.62ドルで約6,000円から購入できます(2021年9月13日時点)。

 2018年以降の最高値は62.07ドル、最安値は46.29ドルです(終値ベース)。