Q4 若い方の投資への関心が増えていると感じる点はありますか?

 コロナ禍で証券投資に興味を持った、始めたという若い方が多くいるという話題を、テレビなどで見聞きすることが多くなりました。

 例えば、初心者向けといわれている「NISA(少額投資非課税制度)の口座数は、金融庁の調査をみると昨年12月から比較して20、30代は10%程度も増加しています。また、その中でもより資産形成に適している「つみたてNISA」は、20代では18%程度、30代では28%程度も増加しているという結果が出ています。このことから若い方も証券投資に関心を持ち、将来のことを考えて始める人が増えているのだなと感じています。

 若いうちから始めると時間を味方につけることができ、複利の効果(運用で得た利益を当初の元本にプラスして再び投資すること)をより期待できますので、ぜひ早めに始めていただきたいと思います。

出典:金融庁

Q5 投資未経験者にとって、投資=怖い、といったイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?

 リスクとリターンの関係を理解していれば、過度に心配することはありません。リターンとは「資産運用を行うことで得られる成果」、リスクとは「リターンの振れ幅のこと」を言います。つまり「リスクとリターンの関係」とは、「リスクを低く抑えようとするとリターンは低下し、高いリターンを得ようとするとリスクも高まる」ということです。

 したがって、「リスクがなく(低く)、リターンが高い=ローリスク・ハイリターン」の金融商品は存在しないということです。そのことをしっかりと理解したうえで、自身の資産やリスク許容度にあわせて商品を選んで購入すれば、怖いことはないのです。

 そもそも証券投資は特別な人だけが行うものではなく、資産形成の一つとして誰しも必要であり、かつ簡単に始められるものです。預貯金だけでお金は増えないですし、今は、少額でリスクが低い、気軽に始めやすい商品が多くあります。自分に合った商品を探していただくとよいと思います。

Q6 証券投資を行うメリットについて教えてください。

 証券投資をすることによって、自分のお金で投資した商品の価格が変動しているとその理由が気になりますよね。その理由を知ろうと自然にニュースや新聞を見るようになり、社会の動きに関心を得られるというメリットがあります。視野が広がったという方もいるようです。

 また、証券投資をすることによって私たちの社会を支えるという社会貢献にもつながります。私たちが投資した資金は自分の資産を増やすためだけでなく、証券市場を通じて企業などの活動資金となります。企業はその資金を使い商品やサービスを提供し私たちの社会を支えています。投資は将来にわたって持続可能な社会の形成に不可欠であるといえるのです。

Q7 これから証券投資を始める人に向けて、投資方法のアドバイスや心構えがございましたら、教えてください。

 とうしくんの紹介のところでも話しましたが、投資の基本である「分散投資」という考え方は絶対に押さえていただきたいです。投資の世界では、「1つのカゴに卵を盛るな」という有名な格言があります。これは1つのカゴに卵を全部入れておくと、カゴを落としたときに卵が全部割れてしまうので、あらかじめ複数のカゴに分けておくことで、被害を最小限に抑えようという考え方です。

 投資も同じように、種類の異なる複数の商品(例えば、投資信託、株式、債券とか、株式でもIT関連、食品メーカー等々)、複数の地域や国、商品を買うタイミングを分けるなどさまざまな形で「分散」するとリスクが分散され、万が一の損失を最小限に抑えることができます。

 投資を始める際には「分散」を意識して商品を購入していただくとよいと思います。

出典:日本証券業協会「投資の時間」