証券投資の日を設定した、日本証券業協会へ直撃取材! 寝かせておくだけでは増えないお金を生かす「証券投資のメリット」や、証券投資初心者が陥りやすい「リスクの回避方法などについて、聞いてみました!

▼答えてくれた人

日本証券業協会 広報部

Q1 証券投資の日はいつから始まったのですか?

 1996年(平成8年)に日本証券業協会が設定しました。その後、日本記念日協会にも登録されています。

Q2 何を目的に始められたのですか?

 より多くの方々に証券投資に興味・関心を持っていただきたいという思いから設定しました。

 日本証券業協会では、幅広い層の方に証券投資の魅力を発信し、理解を深めていただくため、さまざまな取り組みを日々行っております。

 毎年この時期には、特に力を入れて、YouTube動画配信、オンラインセミナー、新聞広告など、普及活動に努めています。

 また、各証券会社でも「投資日特集」など、認知度アップのためのさまざまな取り組みを行っていただいており、業界全体で「証券投資の日」が盛り上がっている感じがします。

Q3 マスコットキャラクター、とうしくんについて詳しく教えてください。

 とうしくんは、10月4日に日本を代表する証券・金融の街である日本橋兜町で生まれた男の子です。 

「証券投資の日」のマスコットキャラクターとして、投資の経験や金融知識の有無などに関係なく、より多くの人に「投資」を身近に感じていただきたい、という願いから生まれました。

 

 なぜ牛かというと、「投資(とウシ)」ということからと、証券界では「雄牛」は、角を下から上へ突き上げるしぐさをすることから相場が上昇する、強気を示す動物として好まれていることからです。

 また、とうしくんには、兄弟・姉妹がおり、とうしくんと合わせると全部で10頭います。とう(10)のうしで「とうし」。さらに、とう(10)のうしに分けることで、投資の基本である「分散投資」という意味も込められています。 

 一見ほのぼのとした子牛ですが、皆さまに長い目でじっくり育てていただくこと(「長期投資」)で、たくましい立派な牛に成長することを願っています。

 今年は「とうしくんの年(丑年)」ということもあり、最近、「とうしくんのお部屋」というウェブページや、「とうしハイスクール」を開設しました。生活にちょっと役立つ漫画やとうしくんのお散歩の様子の紹介、とうしくんの仲間たちが大手有名予備校の講師に扮(ふん)してお金に関する授業を行う動画など、楽しいコンテンツを盛りだくさん掲載していますので、ぜひ遊びに来てください。また、今年は新たにとうしくんの公式Twitterも開設しました。とうしくんのほのぼのとした日常を垣間見るチャンスですので、ぜひフォローください。

とうしくんのお部屋は、生活にちょっと役立つトピックや、兜町・日本橋のおすすめスポットなどを紹介しているほのぼのとしたページ。ぜひ訪問してみよう!
お金に関する不安や疑問、たった90秒という短い動画で学べます。サングラスでこわもての「ウシなサングラス先生」の授業は納得感がスゴイ!

Q4 若い方の投資への関心が増えていると感じる点はありますか?

 コロナ禍で証券投資に興味を持った、始めたという若い方が多くいるという話題を、テレビなどで見聞きすることが多くなりました。

 例えば、初心者向けといわれている「NISA(少額投資非課税制度)の口座数は、金融庁の調査をみると昨年12月から比較して20、30代は10%程度も増加しています。また、その中でもより資産形成に適している「つみたてNISA」は、20代では18%程度、30代では28%程度も増加しているという結果が出ています。このことから若い方も証券投資に関心を持ち、将来のことを考えて始める人が増えているのだなと感じています。

 若いうちから始めると時間を味方につけることができ、複利の効果(運用で得た利益を当初の元本にプラスして再び投資すること)をより期待できますので、ぜひ早めに始めていただきたいと思います。

出典:金融庁

Q5 投資未経験者にとって、投資=怖い、といったイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?

 リスクとリターンの関係を理解していれば、過度に心配することはありません。リターンとは「資産運用を行うことで得られる成果」、リスクとは「リターンの振れ幅のこと」を言います。つまり「リスクとリターンの関係」とは、「リスクを低く抑えようとするとリターンは低下し、高いリターンを得ようとするとリスクも高まる」ということです。

 したがって、「リスクがなく(低く)、リターンが高い=ローリスク・ハイリターン」の金融商品は存在しないということです。そのことをしっかりと理解したうえで、自身の資産やリスク許容度にあわせて商品を選んで購入すれば、怖いことはないのです。

 そもそも証券投資は特別な人だけが行うものではなく、資産形成の一つとして誰しも必要であり、かつ簡単に始められるものです。預貯金だけでお金は増えないですし、今は、少額でリスクが低い、気軽に始めやすい商品が多くあります。自分に合った商品を探していただくとよいと思います。

Q6 証券投資を行うメリットについて教えてください。

 証券投資をすることによって、自分のお金で投資した商品の価格が変動しているとその理由が気になりますよね。その理由を知ろうと自然にニュースや新聞を見るようになり、社会の動きに関心を得られるというメリットがあります。視野が広がったという方もいるようです。

 また、証券投資をすることによって私たちの社会を支えるという社会貢献にもつながります。私たちが投資した資金は自分の資産を増やすためだけでなく、証券市場を通じて企業などの活動資金となります。企業はその資金を使い商品やサービスを提供し私たちの社会を支えています。投資は将来にわたって持続可能な社会の形成に不可欠であるといえるのです。

Q7 これから証券投資を始める人に向けて、投資方法のアドバイスや心構えがございましたら、教えてください。

 とうしくんの紹介のところでも話しましたが、投資の基本である「分散投資」という考え方は絶対に押さえていただきたいです。投資の世界では、「1つのカゴに卵を盛るな」という有名な格言があります。これは1つのカゴに卵を全部入れておくと、カゴを落としたときに卵が全部割れてしまうので、あらかじめ複数のカゴに分けておくことで、被害を最小限に抑えようという考え方です。

 投資も同じように、種類の異なる複数の商品(例えば、投資信託、株式、債券とか、株式でもIT関連、食品メーカー等々)、複数の地域や国、商品を買うタイミングを分けるなどさまざまな形で「分散」するとリスクが分散され、万が一の損失を最小限に抑えることができます。

 投資を始める際には「分散」を意識して商品を購入していただくとよいと思います。

出典:日本証券業協会「投資の時間」