菅首相辞任はきっかけに過ぎず、業績拡大の日本株はPERで割安に

 菅首相辞任をきっかけに日経平均が急反発しましたが、辞任は上昇のきっかけに過ぎず、それがなくてもいずれ日経平均は反発に入っていたと考えています。

 それは、日本株がPER(株価収益率)などで割安になっていたからです。足元(4-6月)の企業業績が好調であったにもかかわらず、日本株の下落が続いたため、TOPIX(東証株価指数)のPERは8月20日には一時14.8倍まで低下。日本株はPERで見て非常に割安となっていました(日経平均急反発で、TOPIXのPERは9月3日には15.9倍となりましたが、なお割安と考えています)。

 しかも、日経平均が下がる間、米国株(ナスダック、S&P500)は最高値を更新。米国株の上昇に逆行して日本株だけ下がっていく珍しい展開でした。

 PERで割安になった日本株をこのまま売り続けるのには無理があると考えられていたことから、きっかけさえあれば、日本株が反発する素地は整いつつあったと言えます。

 そこに菅首相辞任の報が入り、新首相の元で大型経済対策を実施していくシナリオが見え始めたことが日経平均急反発のきっかけとなりました。