注目の米国株7:タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)

 同社は多様な製造元からの設計・注文に基づく半導体を製造可能な企業。半導体受託製造市場で49%という圧倒的なシェアで業界No.1です。半導体市場のベンチマークといえる企業になります。今後のAI市場・EV(電気自動車)市場・クリーンエネルギーなどトレンド産業においても必須製品です。

TSMの株価年間チャート

注:オレンジの折れ線はSPY(S&P500)、青の折れ線はTSM
出所:Bloomberg

 直近(2021年4-6月期)の決算結果(2020年同期対比)を確認します。

 売上高133億ドル(+28%)、営業利益率39.1%(▲3.1%)でした。

リスクは?

 世界的なインフレによって製造コストが上昇していること、またサプライチェーン問題の影響も大きく、2021年内はコスト増加が重しになっています。

 そして、直近の耐久消費財の爆発的な生産量増加で追い風だったものの、今後は需給バランスが崩れる可能性もあり、半導体産業が少し下火になる可能性が懸念されます。

株価 108.12ドル(2021年8月20日終値)
2020年売上高 約1兆3,392億台湾ドル(約478億米ドル)
2020年営業利益 約5,568億台湾ドル(約199億米ドル)
2020年営業利益率 約41.54%
時価総額 約5,600億米ドル
注:2021年8月20日現在、1米ドル=27.967台湾ドル換算

最後に米国から:マーケットに居続けよう

 現在の米国株市場で調整という名の下落があったとしても、下落率は10%から15%くらいではないかといわれています。

 リーマン・ショック時のような下落率40%近くの暴落が起こる可能性は低く、過剰なあおり情報には惑わされないで、冷静に投資を続けてほしいと考えています。

 今回ご紹介した個別株は、もしも調整局面がやってきても、マーケットが回復すれば再び株価が戻る可能性が高いと考えるものを中心にオススメしています。

 株価は半年先から1年先までの業績予想を織り込みます。個別株に投資をする場合は、決算だけでなく、その企業の将来性とリスクの両方を、可能な限り考えてみることを忘れないでください。

 今後やってくるであろう正常化相場は、これまでの政策金融相場のように、常にインデックス指数が上昇していくようなマーケットになるとは限らないと考えます。

 だからこそ、じっくり腰を据えて、マーケットに居続けることが何よりも投資には大切であることを忘れないでほしいと思います。

もみあげさんプロフィール

 米国駐在員として日系サプライチェーン企業に勤務する会社員。駐在をきっかけに2018年9月から米国株投資を始めた兼業投資家。投資ブログ「もみあげの米国株投資─お金で幸せになる!─」やTwitter(@momiage0088)では、現地駐在員ならではの米国株、米国経済関連の情報をひんぱんに発信。著書にベストセラー『もみあげ流 米国株投資講座』(ソーテック社刊)がある。無類のサッカー好き。

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