日本株のチャートの形は改善。今週は雇用統計に注目
以上のように、テクニカル分析的には明確な上昇サインはないものの、チャートの形状は改善しつつあります。
ただ、今週は「月またぎ」となり、ここ11カ月続いている月末安の傾向が意識されやすいほか、月初恒例の米雇用統計も控えているため、動きづらい相場地合いとなることが想定されます。
さらに、新型コロナウイルスの状況や、国内政局の不透明感、アフガン情勢などの手控え要因も多くあります。
ジャクソンホール会合を無難に通過したことで、米金融政策への警戒が後退した格好になっていますが、FRBは今回の会合で「テーパリングを開始するよ」という告知に成功した段階と言えます。
今週末の米雇用統計の結果次第では、「テーパリング開始のスケジュールを決めるよ」という流れになると思われるため、次の焦点はテーパリングの開始時期と縮小額のペースへと移ります。
テーパリング終了後に利上げが控えていることを踏まえると、利上げの開始時期も想定することになり、相場が米国の金融政策の動向を織り込むタイミングは再び訪れると考えられます。
また、今週は、米雇用統計のほかに、中国のPMIや米ISM景況感指数などの公表が控えており、米中の景況感の見極めも相場の手掛かりとなる可能性があります。とりわけ、中国景気の影響を受けやすい日本企業は多く、中国PMIが悪化した場合には注意が必要かもしれません。