米株最高値更新中!ただしこれがピークの予感も…

 米株が連日史上最高値を更新していますが、感染再拡大の中でここから更なる景気拡大の絵はなかなか描き切れません。7月29日に発表予定の米国4-6月期GDP(国内総生産)は前期+6.4%を上回る8%超の予想となっていますが、昨年の反動による需要急回復が一段落し、経済対策の効果が一巡してくる中で、この数字が景気のピークにならなければよいのですが…。

 4-6月期の企業決算も好業績の予想ですが、すでに株価はかなり織り込んでいる動きをみせています。しかし、今後はバイデン政権がかなり本気で進めている、巨大IT企業への規制強化がGAFAなどへの業績に悪影響を与えてくる可能性もあり、IT企業などの業績も4-6月期がピークになるかもしれません。29日のGDPと同様、今週はアップルなど主力ハイテク企業の決算発表もあるため、今後の業績見通しや発表後の株価の動きに注目です。

 7月27-28日開催予定のFOMC(連邦公開市場委員会)では、テーパリングについて道筋を示すのか、あるいは検討の議論をしているだけにとどめるのかが注目されますが、一方で6月のFOMC時点と比べると、新規感染者が4倍強で増加している中で、景気に対してどのような認識を示すのかにも注目です。

 そしてFOMCが無事に終わり、株価に大きな波乱がなければ、米国GDP発表後は材料出尽くしから、8月26-28日のジャクソンホール会合まで、夏枯れ相場になるかもしれません(8月のFOMCは開催されません)。

 活況でないのはドル/円だけではありません。ユーロもECB(欧州中央銀行)理事会が先週あったにもかかわらず、1ユーロ=1.17USドル台と1.18台を往復するだけで動意が乏しく、先週の週足では今年最小の値幅となりました。ユーロがこんな調子であるため、ドル/円も動きようがないのかもしれません。IMM(CME:シカゴ・マーカンタイル取引所にある国際通貨市場)のネット円ショートは、先々週とほぼ変わらず、ショートを抱えたままの状況となっています。