スポーツイベントが為替相場に影響!?
ドル/円とクロス円の上げ下げの値幅をみていると、9日の円安への反発は、ドル/円の戻りの値幅よりもクロス円の戻り幅の方が大きい動きとなっています。前日の反動によって買われ過ぎたかもしれません。特にポンド/円は買われ過ぎの印象が強いです。
テニスのウィンブルドン、サッカーのユーロ決勝戦の群集をみていると、英国で再び感染者が増えそうな気配ですが、これらの2大スポーツイベントが終わっても、19日のロックダウン解除の方針は変わらないようです。マーケットはこの方針を歓迎し、ポンドは買われているようです。
現状の英国は、コロナウイルス感染による重症者や死者が減ってきていますが、いくら重症者や死者が減っていても、2大スポーツイベントの影響や19日のロックダウン解除後に感染者が急増すれば、景気回復への期待は後退し、相場に影響を与えかねません。ユーロ決勝戦で優勝したイタリアも例外ではなさそうです。
クロス円の円安の戻り幅が大きかった背景として、もう一点気になったのは、東京五輪開催2週間前に発出された、日本の緊急事態宣言です。この宣言が影響したのかもしれません。
ただ、首都圏では無観客になることや、ワクチンが供給不足に陥っているとはいえ、1日100万回以上の接種スピード(12日のTV番組に出演した河野大臣が力説していました)を考慮すると、東京五輪が始まる頃から感染者が抑制されてくるかもしれません。
ドル/円は109円台から110円台半ばに戻ってきていますが、鈍い動きが続いています。こういう状況でクロス円の円高が再び進めば、ドル/円の上値を抑えてくるかもしれません。ドル高円高の世界が再び起こるかもしれません。ドル/円は値幅の狭い中でも、当面はクロス円の動きに左右されるような相場展開が続きそうです。