前日(10月26日)の市場概況

ドル/円:円安基調変わらず

 この日もドル/円は堅調。東京時間午後に113.34円まで下げる場面もありましたが、113円台はしっかり維持。その後は徐々に値を伸ばし、NY時間午後には114.03円の高値をつけました。終値は114.00円(前日比+0.267円)(チャート1)

 ECB(欧州中央銀行)は量的緩和の縮小に着手しましたが、ドラギ総裁は、緩和政策を今後も続けることを示唆。カナダ銀行やRBA(豪州準備銀行)、RBNZ(ニュージーランド準備銀行)なども政策のタカ派色を薄めるなかで、12月に利上げがほぼ確定となっているドルの魅力が高まり、ドル/円が買われました。

 

 

ユーロ/ドル:「セル・ザ・ファクト」

 ユーロ/ドルはECB(欧州中央銀行)会合後に急落。この日の高値は1.1836ドルで、ECB会合後から売りが加速すると、NY時間には3カ月ぶりの安値となる1.1640ドルまで大幅に下落しました。

 ECBはこの日の会合で、量的緩和政策の縮小開始を発表。現在月額600億ユーロの債券買い入れ規模を、来年1月から月額300億ユーロに半減します。購入期間は同年9月末まで継続。

 しかし、ドラギ総裁は、「コアインフレが持続的に上昇する兆候はまだない」との懸念を示し、量的緩和は依然として必要だと発言、慎重姿勢を崩しませんでした。弱気な緩和縮小だとの失望と、縮小サイズも予想通りでサプライズがなかったこともあって、会合後のユーロは大きく売られました。

 

 

ユーロ/円:約2年ぶりの高値から下落

 ユーロ/円も大幅下落。ECB会合後のユーロ/ドルの下落に連れて132.65円まで急落。ユーロ/円は今週水曜日(25日)に2年ぶりの高値となる134.49円をつけていました。

 

 

この指標を見逃すな!今日(10月27日)の注目イベント

今夜は米第2四半期GDPの発表

 

 米国の7-9月期GDP(国内総生産)は、前期比年率+2.6%の予想(前回+3.1%)の予想となっています。

 なお、今朝発表された日本のCPI(全国消費者物価指数)は、総合、コアとも前年同月比+0.7%で、事前予想通りの結果でした。インフレ率は、年末にかけて一時的に低下する可能性がありますが、来年度は1.5%まで上昇すると予想されています。