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『仮想通貨』の相場が乱高下しています。急騰後に噴出した悪材料で、熱狂に冷水が浴びせられた格好です。この数年の市況高騰の背景には機関投資家の参入がありますが、機関投資家による『仮想通貨』へのさらなる投資拡大には、納得性のある「投資尺度」が必要になりそうです。
各国政府によるデジタル通貨への取り組みも本格化しつつある中、今後はその真価が問われることになりそうです。
【ポイント1】乱高下する『仮想通貨』
『仮想通貨』の相場が乱高下しています。代表格のビットコインは昨年の安値から今年4月には13倍超の水準まで高騰しましたが、テスラ社のビットコインでの決済停止や、中国当局による関連ビジネス禁止の通達を受け急落しました。
また他の『仮想通貨』であるイーサリアムやリップルも急落し、『仮想通貨』関連企業に投資する米国のETF(アーク・イノベーションETF、ティッカーARKK)も大きく調整しました。
【ポイント2】高値を演出、機関投資家の参入
近年の『仮想通貨』高騰の一因には、機関投資家の市場参入があります。ブリッジ・ウォーターやサードポイントといった大手ヘッジファンドだけでなく、資産運用最大手のブラックロックや米生保のマスミューチュアルなど、伝統的な機関投資家の一部も『仮想通貨』投資に参入しました。
『仮想通貨』交換所大手のコインベースによれば、今年1~3月の売買シェアは機関投資家が65%を占めており、『仮想通貨』取引の主役は既に個人から機関投資家にバトンタッチした感があります。
【今後の展開】「投機」としての復活か、「投資」への脱皮か、問われる真価
主要各国は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)への取り組みを加速させつつあります。これまで壮大なストーリーと、独特の分かりにくさが急騰を演出してきた『仮想通貨』ですが、今後はデジタル通貨の大本命であるCBDCとの対比で、その弱点が浮き彫りにされる可能性があります。
今後『仮想通貨』が「投機」として復活するには、これまでとは異なる「新しいストーリー」で人々の関心を集める必要がありそうです。
顧客資金を運用する機関投資家は、顧客への説明責任を果たすため納得性の高い「投資尺度」を必要とするのが一般的です。『仮想通貨』がさらに多くの機関投資家から投資資金を得て主要な投資対象の一角を占めるには、客観的で納得性の高い「投資尺度」を導入して「投資」に脱皮する必要がありそうです。
新しいストーリーで「投機」として復活するのか、納得性のある投資尺度を得て「投資」に脱皮するのか。早晩『仮想通貨』の真価が問われる展開となりそうです。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。