2021年1-3月期決算、スマホ販売の好調と利幅改善で予想上振れ

現地コード 銘柄名
01810

小米集団

(シャオミ)

株価 情報種類

28.15HKD
(5/27現在)

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 中国の有力スマホベンダー、小米集団は、2021年1-3月期に好決算を達成した。売上高は前年同期比54.7%増。非GAAPベースの純利益は同164%増と、市場コンセンサス予想を大幅に上回った。スマートフォン販売台数が69%増を記録しただけでなく、全ての主要事業部門で粗利益率が改善したことが背景。BOCIは引き続き、2021年予想PER(株価収益率)36倍(非GAAPベース)を当てはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 1-3月期の売上高は前年同期比54.7%増の769億元と、市場予想を3%上回る水準。非GAAPの利益は164%増の60億7,000万元と、市場予想を54%上回った。スマホ販売台数は69%増の4,940万台(カナリス調べ)に達し、世界のスマホ出荷で3位に浮上。平均販売価格は1台当たり1,042元と、前年同期比0.4%上向いた。

 IoT(モノのインターネット)およびライフスタイル製品部門の売上高は前年同期比40.5%増の182億元。主にスマートテレビやノートパソコン、ロボット掃除機などの好調な販売が寄与した。インターネットサービス部門の売上高も、広告収入の好調を背景に、11.4%増の66億元。スマホ販売の好調を背景に、自前のスマホ搭載OS「MIUI」のMAU(月間アクティブユーザー数)は1-3月期に世界市場で28.6%増の4億2,500万人を記録。うち国内は6.4%増の1億1,860万人だった。

 粗利益率は全事業部門で上向き、スマホ部門では前四半期を2.4ポイント上回る12.9%。IoT部門では14.5%。インターネットサービス部門では広告収入とフィンテックビジネスの好調を背景に72.4%に達した。同社全体の粗利益率は1-3月期に18.4%で、粗利益は前年同期比87.4%増の142億元だった。経営陣によれば、ハイエンドのスマホ販売の好調が、広告収入の伸びを後押しした要因。平均販売価格の高いスマホの場合、プリインストールアプリやモバイルゲーム関連のものより高額の広告収入が見込めるという。BOCIはこうした理由から、国内の広告ビジネスの予想ARPU(加入者1人当たり月額収入)を、市場コンセンサスより高めの水準に設定している。

 BOCIはスマホ販売とネットサービス売り上げの好調を反映させる形で、2021-2023年の予想売上高を3.9%、6.4%、6.4%増額修正。非GAAPの予想純利益を5.0%、4.7%、5.1%引き上げた。これに伴い、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

 一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、海外でパンデミックが続く中、2021年4-6月のスマホ、IoT製品の販売にマイナス影響が出る可能性、あるいはサプライチェーンに影響が出る可能性を挙げている。