中期的な株価の目安はどうなる?

 出遅れ修正の強さが確認されれば、図2の25日移動平均線乖離率のボリンジャーバンドの向きが変わり、プラス2σや1σに沿って、乖離率が上昇していくことになりますが、それに伴い、中期的な株価の目安も修正していく必要が出てきます。

■(図4)日経平均75日移動平均乖離率のボリンジャーバンド(2021年5月28日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡのデータを元に筆者作成

 上の図4は75日移動平均乖離率のボリンジャーバンドです。図2の25日移動平均線よりも中期的な視点で捉えようとするわけです。

 足元の75日移動平均線乖離率は▲1σのあたりに位置していますが、今年の2月以降、75日移動平均線乖離率は▲1σと▲2σを往来しながら水準を切り下げてきたことが分かります。

 今後も戻り基調を描くのであれば、株価は3カ月ぐらいの時間軸で、MAや、+1σ、+2σをめざしていくことになります。先週末28日(金)時点で計算すると、75日移動平均線は2万9,246円ですので、MAで3万61円、+1σで3万1,340円、+2σで3万2,618円となります。

 反対に、下落に転じた場合は▲2σへ向かうことになり、こちらも28日(金)で計算すると、2万7,502円になります。

 もちろん、これまでのレポートでも指摘してきたように、移動平均線乖離率やボリンジャーバンドの値は今後の値動きで変化するため、あくまでも現時点でのざっくりとした目安です。