運用期間は長ければ長いほどよい?

 運用期間の長さは、必ずしもファンドの良しあしを決定付けるわけではありません。前述した通り、一定の運用実績はあった方が望ましく、運用期間も長いに越したことはありませんが、「長ければ長いほどよい」というほど単純なものではありません。15~20年超の運用実績を持つ「長寿ファンド」が一律に優良なファンドかというと、残念ながらそういうわけではないのです。

 その理由の一つが、運用体制の変更です。ファンドによっては、組成の段階から一貫して同じファンドマネジャーが運用を担うこともありますが、一般的にファンドマネジャーは、5~6年の周期で交代することが多くなっています。特定のファンドマネジャーが何らかの理由で担当から外れたとしても、ファンドそのものの運用に大きな影響が出ないよう、運用会社も、チーム制を取るなど体制を整えています。

 しかし、ファンドマネジャーの交代によって、ファンドの成績が悪化したり、反対に、成績が大きく向上したりする、ということは実際に起きています。

「投信大国」米国の場合は?

「投信大国」米国の場合、運用会社がファンドマネジャーの交代や運用体制の変更について公表することが一般的です。

 さらに、モーニングスターのような投信評価会社が、運用に携わる「人(People)」にまつわる情報としてデータを収集し、適宜更新しています。投信評価会社がこうした情報を集約しているのは、言うまでもなく、運用体制の変更がよい形でも悪い形でも投資信託のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があるためです。

 しかし、日本の場合は、こうした運用体制の変更にまつわる情報公開の姿勢が運用会社各社で異なることもあり、追うのが難しいというのが実態です。

 以上の理由から、投資信託のスクリーニングを行う際は、運用期間だけでなく、運用成績をはじめ、その他の項目も含めて絞り込みを行った方がよいでしょう。

 ところで、楽天証券の投信スーパーサーチでは、検索条件に「運用期間」という項目を設けています。試しに確認してみると、「20年以上」の運用期間があるファンドは294本(2021年5月20日現在)ありました。

 よい投資信託選びは、最初からこの294本ありきで絞り込むのではなく、まずは「5年以上~10年未満」「10年以上~20年未満」も含め、複数項目にチェックマークを入れてみましょう。効率的なスクリーニングは、まず候補を広げてから、少しずつ運用成績などを条件に加えて絞り込んでいくことがコツです。

 ぜひご自分の好みに合ったファンドを見つけてください。