第三者割当を実施、主力の都市ガスのほかLPG・熱供給など各事業を強化へ

現地コード 銘柄名
00384

中国燃気控股

(チャイナ・ガス・ホールディングス)

株価 情報種類

28.00HKD
(5/4現在)

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 中国の都市ガス大手、中国燃気控股がこのほど実施した第三者割当増資(正味調達額116億200万HKドル)について、BOCIは十分な理由があったとの見解を示している。同社は主力の都市ガス事業の買収を積極化させているだけでなく、LPG事業、熱供給事業の分離上場をそれぞれ視野に入れており、今回の増資による調達資金をこうした各事業に振り向ける計画。BOCIは新たな買収の影響や新株増資に伴う希薄化を理由に、2022-2023年度(決算月3月)の予想EPS(1株当たり利益)を5-6%減額修正しながらも、この先、再び増額修正する可能性があるとした。同業銘柄と比べた現在株価の低バリュエーションに言及し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同社は2カ月ほど前、中国南西部の大手都市ガス会社の買収に向けて交渉したものの、資金不足から結局、断念した。この経験を踏まえ、軍資金を準備する必要があると判断したもよう。第三者割当増資の完了後、直ちに北京の都市ガスプロジェクトの取得を発表(北京華油聯合燃気開発の持ち分49%を4億8,400万元で取得)。さらに、4大都市を含む20超のプロジェクトの買収に向け、協議を進めていることを明らかにした。

 今回の増資による調達資金の用途は以下の通り。都市ガスプロジェクトの買収(調達資金の40%に当たる46億4,000万HKドル)、LPGスマート・マイクログリッド事業の拡大(29億HKドル)、分散型熱供給事業の推進(29億HKドル)、運転資金(11億6,000万HKドル)。

 うちLPGスマート・マイクログリッド(マイクログリッドは大型発電所に依存せず、地域内のエネルギー地産地消を促進する小規模ネットワーク)事業では、10年間で3,000万世帯に接続することを目標とし、2022年度から本格展開を開始する。また、シナジー効果を高めるため、既存のLPG事業とLPGスマート・マイクログリッド子会社をすでに合併済み。今後はこの子会社の登録資本金を25億元に引き上げる。

 一方、分散型熱供給事業は、住宅地向けにセントラルヒーティングを提供するもので、すでにパイロットプロジェクトを立ち上げた。同社はこの事業で、接続料と使用料を得る。3億-4億平方メートル規模の潜在市場を獲得済みであり、年間2,000万-3,000万平米のペースで接続を進める目標を掲げる。同事業を大規模に展開するため、子会社の登録資本金を5億元から40億元に引き上げる計画という。

 BOCIは2022-2023年度の予想EPSを5-6%減額修正したが、調達資金の各事業への投入時期などに関する詳細情報をまだ得られていないことを理由に、この先、再び上方修正する可能性があると指摘。今回は目標株価を据え置いた。この目標株価は従来予想に基づく2022年度予想PER(株価収益率)で16倍。新たな予想に基づく同PERでは16.9倍に当たる水準となる。