2021年1-3月期に62%増益、四半期別の過去最高益を記録

現地コード 銘柄名
02338

イ柴動力

(ウェイチャイ・パワー)

株価 情報種類

 18.56HKD
(5/3現在)

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 自動車部品製造大手、ウェイチャイ・パワーの2021年1-3月期の純利益は前年同期比62%増の33億元強。事前に発表した利益見通しの上限に達し、四半期の過去最高益を記録した。前四半期比でも59.1%の大幅増益となり、BOCIはその理由として、製品構成の優良化や傘下の独フォークリフトメーカー、KIONの利幅改善を受けたグループ全体の粗利益率の回復を指摘している。一方、2021年12月通期決算に関しては、大型貨物車用エンジンの市場シェアの拡大を背景に、安定的な売り上げ成長を確保するとの見方。粗利益率の低下見通しを理由に、通期の予想純利益を約4%減額修正しながらも、KIONの利益貢献の回復がこの分を一部カバーする可能性を指摘した。2021年予想PER(株価収益率)15倍に基づく目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 1-3月期には前年同期比62%の増益を達成したが、これは中国国内全体の大型貨物車販売台数の急回復(前年同期比約94%増)が主因。粗利益率は2020年10-12月期の18.8%から19.2%に改善し、前期比でも59.1%の大幅増益を確保した。製品構成の高付加価値化や天然ガスエンジンをはじめとするエンジン事業の粗利益率の回復に加え、KIONの粗利益率の改善が寄与した。

 国内全体の2021年上期の大型貨物車販売台数について、BOCIは80万台超えを見込む。4-6月の予想は25万台強と、1-3月の販売実績を下回るものの、依然として歴史的な高水準。2021年通年に関しては130万台超とする予想を据え置いた。同社に関しては、大型貨物車用エンジンの市場シェアが2020年の約28%から2021年には約35%に上向くと予測し、2021年通期の安定的な増収を見込む。陝西(Shaanxi)子会社のシェア拡大と中国重汽向けの供給比率の拡大がシェア拡大を支える見通しという。ただ、相対的に採算性の低い同エンジンの売り上げ比率の拡大は、粗利益率の後退につながる要因となる。一方、傘下のKIONの2020年の利益貢献はパンデミックの影響で例年を8億元ほど下回ったが、2021年の新規受注は好調であり、挽回する可能性が高いという。

 BOCIは予想粗利益率の引き下げに伴い、2021年の純利益見通しを約4%減額修正した。同社株価の最近の低調推移を受け、2020年10-12月期決算の予想下振れや2021年の大型貨物車の販売減速懸念といった悪材料は、すでに株価に反映されたとみている。

 現在株価は2021年、2022年予想PERで10.8倍、9.3倍。BOCIは◇大型貨物車販売が2021年も過去最高レベルで推移する見通し、◇燃料電池分野の先進性、◇大型貨物車業界への依存度の軽減による製品構成の改善――などを理由に、現在株価の値ごろ感を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。