本決算前の業績予想の修正の重要度は?

 例えば3月決算の会社で、2021年3月期の本決算の発表日が5月12日のケースで考えてみます。

 本決算の発表日より前であっても、すでに発表している2021年3月期の業績予想の数値に比べて売上高や利益が大きくかい離することが分かった時点、例えば5月7日に、業績予想の修正発表を行います。また、未定だった配当金の金額が確定したような場合も、決算発表より前の段階で発表されることがあります。

 この業績予想の修正発表にて、例えば2021年3月期の決算が予想よりかなり良いことが分かれば株価は大きく上昇する可能性が高いですし、逆に2021年3月期の決算内容がよくないと分かれば、株価は大きく下落する可能性が高くなります。

 しかしこの株価の反応は、あまり意味がないことだと筆者は考えています。なぜなら、2021年3月期の実際の業績が本決算の直前に上方修正されても、それは過去の話だからです。

 すでに投資家の関心は、2022年3月期の業績予想としてどれくらいの数値を会社側が出してくるかに移っているのです。