2021年1-3月の小売売り上げが大幅増、海外ブランド不買運動で恩恵

現地コード 銘柄名
02331

李寧

(リネイ)

株価 情報種類

60.75HKD
(4/20現在)

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 中国のスポーツアパレル大手、李寧が19日大引け後に発表した業務統計で、2021年1-3月の小売売上高が前年同期比80%台後半の伸びを達成したことを明らかにした。これはBOCIの予想(21年通期の予想増収率27%)を上回る数字。コロナ禍にあった前年同期からの反動が高い伸びにつながったものの、2019年同期との比較でも50%台後半の伸び。前四半期から加速しただけでなく、強力なブランド・エクイティを強みに、同業銘柄である特歩国際(01368)の10%台半ば、安踏体育用品(02020)の10%台前半の伸びを大きく上回った。BOCIは目標株価を2割ほど引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 1-3月の小売売上高は前年同期比80%台後半の伸びだったが、これを支えたのはネット通販チャネルにおける100%超の大幅増収。オフラインの実店舗でも80%台前半の売上増を達成した。BOCIの推計によれば、2019年同期比の増加率は50%台半ば。ネット通販売り上げが120%強、実店舗が40%台前半の伸びだった。実店舗の内訳は、自社直営店が前年同期比90%台前半の増収率で、2019年同期比では20%台後半の伸び。販売代理店は前年同期比80%台前半、2019年同期比では40%台半ばだった。同社は3月26日、人気俳優Xiao Zhang(肖戦)をグローバルアンバサダーに起用すると正式に発表しており、BOCIはこれによる強力な販促効果を見込む。

 新疆ウイグル自治区での強制労働問題に絡む「新疆綿」のボイコットで、中国国内では一部海外ブランドの不買運動が発生。BOCIはこの一件が、国内有力ブランドである同社にとって、同業他社以上の大きな追い風になったとみる。中国のスポーツ精神を体現するナショナルブランドという強力なイメージがその理由。3月後半には、オフライン売り上げが60%を超える伸びを記録し、1月-3月前半(30%台後半)から急加速した可能性があるという。この勢いは4-6月も続く見込み。現時点の販売増の勢いは一時的なものとみられるが、BOCIは製品開発能力の強化により、国内ブランドが長期的に、市場シェアを拡大する可能性も否定できないとしている。

 1-3月期に128店舗(直営店24店舗、代理店104店舗)を閉鎖したことを考慮すれば、売り上げ増は店舗の生産性の向上によるもので、これが営業レバレッジの改善につながったとみられる。BOCIはまた、小売価格の値引き率もさらに縮小したとの見方。現在の力強い製品需要が、こうしたプロセスをさらに加速させる可能性もあるという。

 BOCIは予想売上高や利益率に関する想定値の引き上げに伴い、2021-2023年の予想純利益を9%、8%、5%増額修正。目標算出ベースを1四半期分、先にずらした上で、1年のフォーワードPER(株価収益率)51倍をあてはめ、目標株価を引き上げた。株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。