2021年1-3月期に黒字転換へ、夏場に向けた中国ビジネスの回復を予想

現地コード 銘柄名
01876

百威亜太控股有

(バドワイザーAPAC)

株価 情報種類

24.60HKD
(4/13現在)

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 アンハイザー・ブッシュ・インベブの子会社、バドワイザーAPACが5月6日に発表する2021年1-3月期決算について、BOCIは前年同期比58%の増収と1億9,000万米ドルの黒字転換を予想した。1-3月の販売量は韓国で小幅に減少したとみられ、中国でもコロナ前の2019年同期比で6%ほど落ち込む見込み。ただ、2021年のマーケティング費の積み増しがこの先、プレミアムブランドの収益増に寄与すると予想。夏のスポーツシーズンに向けた態勢も整ったとし、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 主力市場のうち中国での2021年1-3月の販売量について、BOCIはコロナ禍にあった前年同期との比較で70%増加したと推定している。2019年同期比では約6%減を見込むが、これは1月から2月前半に一時、コロナ感染が再燃したことが理由。この数字は中国ビール業界全体の生産量の減少率(2021年1-2月に2019年同期比6.4%減)にほぼ並ぶペースとなる。ただ、経営陣によれば、3月にはほぼ正常レベルを回復したという。また、中国ではプレミアムビールへのシフトが進行中であり、1-3月のプレミアムの販売量は2019年同期比で1桁台半ばの伸びを示す見込み。この先、マーケティング費の増額に伴い、さらにプレミアム化が進む見通しという。サッカーの欧州選手権のスポンサーである同社にとっては、夏のスポーツシーズンの到来が追い風。セレブの起用や製品イノベーションを通じたネット通販市場での販売増も鮮明となっている。

 一方、韓国での1-3月の販売量に関しては、BOCIは前年同期比で一桁台前半の減少を見込む。コメを副原料とする「HANMAC」ビールの全国展開や若年層をターゲットとした「CASS」ブランドのリニューアルなど、現地事業への投資を継続しているものの、コロナ第4波が迫る中、韓国の消費マインドは依然低調。BOCIはワクチン接種に伴うビジネスの正常化までには、まだある程度時間がかかるとしている。

 BOCIは西部(主に中国とインド)、東部(主に韓国)の両部門で、1-3月の平均販売価格が6%上向いたと予想。業務用の回復や製品構成のアップグレードをその理由に挙げた。販売量に関しては、西部で前年同期比70%増、東部で2%減を見込む。同社全体の売上高は同58%増、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は172%増え、4,100万米ドルの純損失から1億9,000万米ドルの純利益に転じるとみている。

 一方、2021年-2023年に関しては利益見通しを7-11%下方修正したが、これは◇包装材や原材料の価格上昇に伴う粗利益率の下方修正、◇マーケティング費の増額修正、◇韓国・インド市場の回復ペースが従来予想を下回ること――などが理由。2021年、2022年の増収率は前年比18.6%、7.5%、EBITDA伸び率は31.0%、15.1%になるとみる。

 BOCIはAPAC西部と東部の両部門に、2021年予想EV/EBITDA倍率25.0倍、13.0倍を当てはめ、目標株価を下方修正したが、株価の先行きに強気見通しを継続している。