ユーロやポンド、豪ドルやNZドルの動きも要チェック!

 また、もう一つ、4月以降の相場の流れで注目したいのは、ユーロやポンド、豪ドルやNZドルの動きです。これら通貨はドル高やそれぞれの通貨の固有の要因によって、3月は下落し、3月末が近づくにつれて、月末・期末要因からか買いがみられ、下落一服となっている状況です。

 この3月の下落は、月末・期末月だから調整されただけなのか、4月に入っても、引き続き下落し、これまでの上昇局面の調整が続くのかどうかにも、注目したいと思います。これら通貨の流れの変化が始まったばかりで続落となれば、これら通貨のクロス円も続落し、ドル/円の下落圧力となることが予想されます。

 米国におけるワクチン接種者は急スピードで増えています。一回の接種者は1億回を超えたそうです。このままでいくと、数カ月後には、WHO(世界保健機関)が示している、「人口の70%を超える人がワクチンを接種すれば、『集団免疫』状態になる」可能性が高まってきました。そして4月2日、CDC(米国疾病対策センター)は、「ワクチン接種を終えた人は国内外の旅行ができる」と新たな指針を発表しました。接種が所定の回数を終えた者は、自主隔離や検査なしに国内旅行ができるという新指針です。

 これによって米国経済はますます上向きそうですが、国内の移動者が増えると感染者が増える恐れもあります。また、旅行や飲食だけで、失われた雇用が3月のような増加ペースで戻ってくるのかどうか、マーケットはまだそこまで楽観的には読み切れていないようです。ここからは毎月の雇用統計の注目度合いがますます高まりそうです。