2020年に純利益ほぼ倍増、主力のトラック販売が2021年上期も好調持続へ

現地コード 銘柄名
03808

中国重汽(香港)

(シノトラック)

株価 情報種類

23.30HKD
(4/1現在)

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 中国の大手貨物車メーカー、中国重汽の2020年12月通期の純利益は前年比97.2%増の68億元と、1月後半に発表した利益見通し(少なくとも65億元)よりさらに高い数字となった。売上高が予想を上振れたことや、主に済南豪沃客車(HOWOバス)に関連する金融資産減損損失の大幅減が背景。スケールメリットや調達コストの低減、製品構成の改善を受け、粗利益率は前年を0.4ポイント上回る19.9%に達した。同社は2021年1-3月に、重量級・大型トラック市場でシェア2位だったが、BOCIはこの先一段のシェア拡大を見込み、2021年6月中間期も成長の勢いを維持するとの見方。売り上げ見通しの引き上げに伴い、2021-22年の予想純利益を14-17%増額修正した。同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。

 20年通期の売上高は前年比56.8%増の980億元と、BOCIの予想を上回った。重要級・大型トラックと軽トラックの売れ行き好調が寄与した。重要級・大型トラックが同60.3%の増収を記録し、軽トラックおよびバスが44.9%増収。19年通期の同4.7%増収、19.1%増収から急加速した。両部門の売り上げ構成比は合計約97%に達している。地域別では、国内売上高が74.5%増える半面、海外向けが36.3%減。パンデミックが輸出を直撃する形となった。

 2020年の粗利益率は前年を0.4ポイント上回る19.9%。BOCIの予想通り、上期、下期を通じてほぼこの水準で推移した。主に◇スケールメリットの拡大による単位当たり固定費の低下、◇調達コストの低減、◇製品販売構成比の高付加価値化が、前年比での粗利益率の改善を支えた。

 コスト面を見ると、販売台数の増加や、それに伴う製品保証費用の増大を受け、2020年通期の販売費は50億元に増大。また、研究開発費や従業員福利費などの増加で、一般管理費も前年の36億元から57億元に大きく膨らんだ。ただ、こうしたコスト増を大幅増収で吸収。販売費および一般管理費(SG&A)の対売上高比率は2019年の11.3%から10.8%に低下している。

 BOCIは売り上げ見通しの上方修正に伴い、2021-22年の予想純利益を14-17%増額した。2021年上期もトラックの力強い販売増が続くとみている。同社の現在株価は2021年、2022年予想PER(株価収益率)でそれぞれ8.0倍、7.6倍。22年予想PERで9倍相当の目標株価をあてはめ(前回の21年予想PER11倍からシフト)、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。