3)アプライド・マテリアルズの今後6~12カ月間の目標株価を150ドルから190ドルに引き上げる
今後6~12カ月のアプライド・マテリアルズの目標株価を、前回の150ドルから190ドルへ引き上げます。足元の株式市場には、後述のTSMCの大型投資継続、アメリカ・バイデン政権の半導体産業支援策など好材料が多いため、これらを前向きに評価したいと思います。
アプライド・マテリアルズの2022年10月期楽天証券業績予想を前回の売上高264億ドル、営業利益78億ドルから、売上高280億ドル(前年比27.3%増)、営業利益84億ドル(同37.7%増)に上方修正します(2021年10月期予想は変更しません)。更にアプライド・マテリアルズ自身の業績好調、大型自社株買いを評価して、2022年10月期楽天証券予想EPS 7.98ドルに想定PER20~25倍を当てはめました。
東京エレクトロンの目標株価は現在の5万5,000円を維持しますが、4月30日に2021年3月期決算説明会が予定されているため、その後あるいはそれまでに再評価を検討中です。
アプライド・マテリアルズ、東京エレクトロンともに、引き続き中長期での投資妙味を感じます。
表3 アプライド・マテリアルズの業績
表4 アプライド・マテリアルズ:セグメント別業績(年度)
表5 半導体製造装置の主要製品市場シェア(2019年)
2.TSMCが今後3年間で1,000億ドルの設備投資を行うもよう
2021年4月1日付け日経新聞によると、TSMCは2021年年末の受注分から顧客に対する値引き(ボリュームディスカウント)を中止するもようです。実質的に数%の値上げになります。
また、今後3年間で1,000億ドル(約11兆円)の設備投資を行うもようです。
2020年12月期の決算説明会で、TSMCは今期2021年12月期の設備投資計画を250~280億ドル(前年比45.0~62.4%増)と公表しましたが、今後3年間で1,000億ドル投資することになれば、2022年12月期、2023年12月期は更に設備投資が伸びると予想されます。半導体製造装置に対しては、前工程だけでなく、後工程や各種検査装置にも大きなプラスの恩恵があると思われます。また、トップファウンドリ(半導体受託生産業者)としてだけでなく、世界半導体産業におけるTSMCの主導的な地位は盤石のものになると思われます。
詳細は4月15日のTSMCの決算説明会で明らかになると思われます。TSMCと日系半導体製造装置メーカー、東京エレクトロン、アドバンテスト、レーザーテック、ディスコ、SCREENホールディングス、海外系のアプライド・マテリアルズ、ASMLホールディング、KLAに強い投資妙味を感じます。
表6 大手半導体メーカーの設備投資
本レポートに掲載した銘柄:マイクロン・テクノロジー(MU、NASDAQ)、アプライド・マテリアルズ(AMAT、NASDAQ)、東京エレクトロン(8035)、TSMC(TSM、NYSE ADR)