2020年に14%減益も収益見通し良好、チーズなどの新規事業が急成長

現地コード 銘柄名
02319

中国蒙牛乳業

(チャイナ・モンニュウ・デイリー)

株価 情報種類

43.50HKD
(3/26現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 中国の乳製品大手、中国蒙牛乳業の2020年12月本決算は、売上高が前年比4%減の760億3,500万元と、BOCIの予想を2%下回った。ただ、石家庄君楽宝乳業(2019年に売却)とBellamy’s Australia(2019年に買収)を除く比較可能ベースでは、11.8%の増収。さらに下期には、粗利益率、営業利益率がそれぞれ前年同期比0.2ポイント、0.58ポイント改善した。また、税率の低下も寄与し、2020年の通期純利益は前年比14%減の35億2,500万元と、BOCIの予想を4%上回った。品目別では、常温保存牛乳の販売量が2桁増加し、市場シェアが28.2%へ1.3ポイント上昇。ほかにフレッシュミルクやチーズなどの新規事業が収穫期を迎えた。同社はこの先、幅広く消費者需要に応えるための製品多様化とハイエンド製品の強化を目指し、ポートフォリオを改善する見通しであり、BOCIはこれが長期的な収益成長を後押しするとの見方。目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2020年通期の売上高は前年比3.8%減で、下期に限ると前年同期比1.7%減。比較可能ベースではそれぞれ11.8%増、10.6%増(うち8.5%が販売量の増加効果)だった。下期には商品価格の上昇(20年に3%)によるマイナス効果を製品構成のアップグレードとプロモーション活動の抑制でカバーし、粗利益率が前年同期比0.2ポイント改善。営業利益率は経費削減により、0.58ポイント上昇した。経営陣はデジタル化とオフライン業務の効率改善により、営業利益率の拡大が今後も続くとみる。一方、税率は2019年の23.4%に対して2020年は15.7%。通期純利益は14.1%減の35億2,500万元だった。

 品目別では、常温牛乳の売上高が5年連続で2桁増。フレッシュミルクは2年連続で前年比100%超の売り上げ増を記録。市場シェアは4.1ポイント高の11.2%に達し、2020年6月には業界2位に浮上した。また、チーズの2020年の卸売り、小売り売上高はそれぞれ130%増、33%増。ネット通販チャネルの展開などから、経営陣は2021年に「愛氏晨曦」ブランド(欧州最大手アーラ・フーズと共同開発したハイエンドチーズブランド)の売り上げ倍増を見込む。このほか、乳児用ミルクは比較可能ベースで30%強の増収。アイスクリームは2019年の5.9%減収から2%の増収に転じた。チルド製品は6.7%の減収と、業界全体の2桁減に比べて小幅の減少率。ただ、今後予定されるダノンとの提携解消により、チルド部門が強みを失う可能性が指摘されている。

 BOCIは2021年、2022年の予想売上高を2%減額修正し、予想純利益を1-2%微調整した。新たに設定した2023年の収益見通しを加えると、2020-23年の予想増収率は年率平均11.8%。予想増益率は同25.9%。うち主力の牛乳に関しては、2021-23年に前年比13%、12%、10%の売り上げ増を想定した。同時に、目標株価を2021年予想PER(株価収益率)31.0倍の水準に据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。