プロの投資家は「金融相場が8割、業績相場が2割」

 米国のプロの投資家は儲(もう)けの源泉として「金融相場が8割、業績相場が2割」という捉え方をしています。金融相場というものに対して、プロは大きな信頼を置いているわけです。

 裏返していえば、個人投資家は金融相場を過小評価し、業績相場を過大評価しすぎる傾向があるのです。

 これは悪いクセなので、金融相場と仲良くつき合う態度を早く身に付けてください。

 さて、金融相場の後半では、実体経済が改善しているというニュースがチラホラ入ってくるようになります。この局面では売られ過ぎた小型株が大型株よりスルスルと上昇するケースがよく見られます。

 中央銀行はそろそろ緩和を止める頃合いを見計らうようになります。その場合、「景気に関する良いニュースは、緩和が終わってしまうので、売り材料だ」というふうに取られる現象が見られるようになります。

 株式投資を始めて間もない投資家の場合、(なぜ良いニュースを素直に好感しないの?)というふうにいら立ちを覚えます。でも、これは政策金利のベクトル(方向)が、「緩和」から「中立」へと移行する過渡期だから、そういうことが起こるのです。

 米国の政策金利はフェデラルファンズ・レートです。それを短縮してFFレートと呼ぶ場合もあります。

図:フェデラルファンズ・レート

単位:%
出所:セントルイスFRB