20年下期の業績改善鮮明、21年には19年比で大幅増益達成へ

現地コード 銘柄名
01316

耐世特汽車系統集団有限公司

(ネクスティア・オートモーティブ)

株価 情報種類

12.06HKD
(3/18現在)

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 大手自動車部品メーカー、ネクスティアの2020年下期の売上高は前年同期比4.5%増と、再びプラス成長を回復した(2020年上期は同33.9%減)。下期の純利益は同14.0%と、ほぼBOCIの予想通りの水準。粗利益率が予想を上回る半面、実効税率の上昇が足かせとなった。期末の受注残高は前年をやや下回ったが、これはパンデミックを受けたOEM生産見積りの縮小が影響したためで、20年の新規受注は37億米ドルと、通期売上高の30億米ドルを上回る数字だった。特にEV(電気自動車)や、ADAS/AD(先進運転支援システム/自動運転)関連製品の受注比率が上向いていることについて、BOCIは将来的な製品構成の優良化や市場シェアの拡大につながるとして前向きに評価している。また、2021年には売上高がコロナ前の2019年の水準を回復し、純利益は2019年実績を大きく上回ると予想。目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2020年12月本決算は前年比15.2%の減収となったが、下期に限れば前年同期比4.5%の増収。アジア太平洋とEMEA&SA(欧州・中東・アフリカ&南米)の下期の売上高がそれぞれ前年同期比21.8%、29.3%増加したことが寄与した。アジア太平洋での新規プログラムの追加やモロッコの生産施設の貢献が背景。経営陣によれば、モロッコ工場は今も生産増強段階にあり、2021年には売上規模が倍増する見通しという。一方、北米は下期に5.4%減収となったが、これは小型乗用車の生産台数が相対的に低水準にとどまったため。GMの生産プラットフォームの移行期に当たったことなどが響いた。

 粗利益率は上期の10.1%から下期には15.9%に上向き、前年同期の14.5%を上回った。地域別では、アジア太平洋の調整後EBITDAマージンが小幅に縮小したが、それでも19.2%と相対的に高水準。ほかに北米のEBITDAマージンは下期に上昇。上期にマイナス0.4%に沈んだ欧州でも、モロッコ工場の貢献で、下期には8.8%に回復した。

 2020年期末の受注残は246億米ドル(前年末は264億米ドル)。2020年の新規受注は売上高を上回る37億米ドルと、逆風下で好調だった。EVやスマート化部品の積極的な開拓が奏功し、期末の受注残に占めるEV関連部品の割合は20%(2019年末は17%)、自動運転レベル3-5のADAS/ADに対応するEPS(電動パワーステアリングシステム)の割合は、EPS受注残全体の32%(同28%)に上った。経営陣は世界大手2社と組み、STB(ステアバイワイヤ)の開発を積極化させていることを明らかにしている。

 BOCIは2021年の予想純利益を1.3%増額修正。2022年に関しては3億2,300万米ドルとの予想を据え置いた。2021年に関しては世界的な半導体不足に直面するとしながらも、北米での旺盛な新車需要や新規プログラムの相次ぐ始動を理由に、力強い業績回復トレンドを見込む。現在株価は2021年、2022年予想PER(株価収益率)で15倍、12倍。目標株価をそれぞれ22倍、18倍に相当する水準に設定し、株価の先行きに強気見通しを据え置いている。