IMMポジション推移(09/19 ~ 10/10)

 

円:円のネットショートは3週連続で増加。前週比約2割増える

 CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による10月10日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネット枚数(円の買い建玉と売り建玉の差)は、10万1,419枚のショートで、円の売り持ち残高が多い状況です。ドル換算にすると、約11億ドル相当のドル買い持ち(円の売り持ち)になります。円のネットショート枚数は、前週比で19.8%(約18億ドル)増加。

売買別では、買い建玉(円ロング)が前週比約12.1%縮小。一方売り建玉(円ショート)は前週比約6.7%増加。円ロングの処分が進むと同時に、新規の円ショートも増えています。ドル円が一時113円台まで上昇して、円の先安観が強まったことを示す動きといえます。

IMM円  2015.10 ~ 2017.10

 

ユーロ:ユーロのネットロングも、3週連続増加。

 

  • ユーロのネット枚数(ユーロの買い建玉と売り建玉の差)は9万8,079枚のロングで、ユーロの買い持ちが多い状況が続いています。
  • ユーロ換算にすると、約122億ユーロの買い持ち(=約144億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比で8.0%増加しました。
  • 売買別では、買い建玉が前週比4.7%増え、売り建玉も1.6%増えました。
  • 欧州ではカタルーニャ分離独立問題が起き、ドイツでは依然として連立政権の組閣に手間取っています。一方でECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁は依然として量的緩和の解除に慎重。利上げへ向かうドルと見比べると、ユーロに優位性はあるように思えませんが、ユーロのロング枚数は増え続けています。

IMMユーロ  2015.10 ~ 2017.10

 

豪ドル:豪ドルのネットロング減る。買い建玉が縮小

 

  • 豪ドルのネット枚数(豪ドルの買い建玉と売り建玉の差)は6万9,182枚のロングで、豪ドルの買い持ちが多い状況が続いています。
  • 豪ドル換算にすると、約69億豪ドルの買い持ち(=約54億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比3.7%縮小ました。
  • 売買別では、買い建玉が前週比4.9%減る一方、売り建玉も前週比8.1%減りました。

IMM豪ドル  2015.10 ~ 2017.10

 

 ポンド:ネットロングが縮小。売り建玉の処分が一段落

  • ポンドのネット枚数(買い建玉と売り建玉の差)は、1万5,508枚のロングで、ポンドの買い持ちが多い状況。
  • ポンド換算にすると、約9億ポンドの買い持ち(=約12億米ドルの売り持ち)。
  • ポンドのネットロング枚数は、前週比で22.3%縮小。売買別では、買い建玉が前週比0.9%減ったのに対して、売り建玉は前週比6.2%増えました。売り建玉はピーク時の半分以下にまで減りましたが、いったん小休止が入った模様。一方で、買い持ちを積み増すことには依然として慎重な様子で、ネットではロング枚数が減る結果となりました。

IMMポンド  2015.10 ~ 2017.10