20年10-12月期決算は予想上振れ、非中核事業が急成長

現地コード 銘柄名
00788

中国鉄塔

(チャイナ・タワー)

株価 情報種類

 1.23HKD
(3/9現在)

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 携帯電話の基地局運営会社、中国鉄塔の20年10-12月期決算は際立った内容となり、売上高、純利益ともに、BOCIの予想および市場コンセンサス予想から上振れた。「業際アプリケーション・インフォメーション」(TSSAI)ビジネスの20年の急成長が背景。BOCIは続く21年について、EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)マージンの上昇と、設備投資の19%の削減を予想。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気に引き上げている。

 通信以外の非中核事業の強化が奏功し、20年10-12月期の純利益は前年同期比38.2%増の18億6,400万元と、BOCIの予想を4.6%上回った。売上高も同7.7%増の209億元と、予想を1.3%上回った。20年12月通期では、純利益が前年比23.1%増の64億2,800万元、売上高は同6.1%増の810億9,900万元だった。

 中でも急成長を遂げたのがTSSAIビジネスで、20年通期に前年比59.2%の増収を記録した。非通信分野の顧客向けにデータ収集、モニタリング、バックアップサービスなどを提供する目的で、鉄塔施設や発電設備、スマート化現場マネジメントシステムなどを統合したことが寄与。関連施設のテナント数は前年比5.7%増加した。一方、エネルギー運営事業の売上高は前年比384.5%増の9億3,500万元。この事業には電池交換サービスや電力バックアップサービスが含まれ、銀行、医療、交通、石油製品・石油化学など各業界向けに提供している。

 21年の設備投資は前年比19%減の300億元となる見込み。経営陣は新規の施設建設および施設拡張向けの設備投資を29%減の184億元に抑える半面、TSSAIおよびエネルギー運営ビジネス向けの設備投資を33%増の45億元とする計画を明らかにしている。5G基地局に関しては、主に既存の3G/4G基地局を利用し、同一ロケーションに設置する予定だが、新規の導入数そのものは21年にさらに増える見通しという。

 BOCIは21年、22年の予想純利益をそれぞれ8.7%、5.8%増額修正。さらに、設備投資に関する想定値の引き下げを反映させる形で、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き上げた。

 レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、基地局数の削減に向け、3G/4G/5G基地局を一つの無線ネットワークに一本化しようとする通信キャリアの試みを挙げている(キャリア大手3社はいずれも同社の大株主であり、主要顧客でもある)。