KLA
1.半導体検査装置の大手。量産ライン用ウェハ欠陥検査装置で市場を独占。
KLA(ティッカーシンボルはKLAC、NASDAQ上場)は、半導体検査装置の大手です。特に重要なのが半導体量産ライン向けシリコンウェハ欠陥検査装置であり、KLAが市場シェア100%を得ています。半導体メーカーの量産ラインとシリコンウェハメーカーの量産ラインで必ず使う検査装置です。
次に重要なのは、パターニング装置です。シリコンウェハ上に回路を描画する使う各種の検査装置とシミュレーション用ソフトウェアを揃えています。
この他、特殊半導体プロセス(真空装置、エッチングプロセスツールなど。MEMSデバイス向けなど)、プリント配線基板、ディスプレイ、電子部品用の各種検査装置を生産、販売しています。
2.業績順調
KLAの2021年6月期2Q(2020年10-12月期)は16億5,100万ドル(前年比9.4%増)、営業利益5億7,000万ドル(同23.1%増)となりました。
ウェハ検査装置が順調に伸びており、今2Q売上高は6億8,700万ドル(同13.4%増)となりました。2020年6月期に比べ伸びは鈍化していますが、二ケタ成長が続いています。
TSMCに代表されるようにロジック半導体の大型設備投資が始まっていますが、量産ライン構築の際にKLAのウェハ欠陥検査装置が必ず必要になります。また、生産能力の逐次増強が続いている最先端半導体向けの高純度シリコンウェハの量産ラインでも高精度のウェハ欠陥検査装置が必要になります。シリコンウェハメーカーによると、微細化が進むにつれてウェハ欠陥検査装置は値上げされているもようなので、採算は良くなっていると思われます。
またパターニング、MEMS(微小電気機械、センサなどに使われる)製造などに使われる特殊半導体プロセスも堅調でした。サービスは製品売上高の増加に伴って増加しました。
表7 KLAの業績
表8 KLA:主要製品売上高(四半期)
表9 KLA:主要製品売上高
3.2021年6月期、2022年6月期も業績順調が予想される。
会社側は、今3Qの業績ガイダンスを、売上高16.65~18.15億ドル(前年比16.9~27.5%増)、当期純利益4.62~5.67億ドル(同5.9~7.3倍)としています。引き続きウェハ欠陥検査装置が伸びると予想されます。
楽天証券では、2021年6月期2Qまでの実績と、半導体メーカー、シリコンウェハメーカーの設備投資動向から、2021年6月期を売上高69億ドル(同18.8%増)、営業利益24億ドル(同36.4%増)、2022年6月期を売上高80億ドル(同15.9%増)、営業利益29億ドル(同20.8%増)と予想します。
4.今後6~12カ月間の目標株価を370ドルとする。
今後6~12カ月間の目標株価を370ドルとします。2022年6月期の楽天証券予想EPS 16.21ドルに成長性を考慮して想定PER20~25倍を当てはめました。中長期で投資妙味を感じます。
<主要半導体関連企業の業績表>
表10 TSMCの業績
表11 インテルの業績
表12 アドバンスド・マイクロ・デバイシズの業績
表13 エヌビディアの業績
表14 アプライド マテリアルズの業績
表15 ASMLホールディングの業績
表16 シノプシスの業績
本レポートに掲載した銘柄:TSMC(TSM、台湾、NY ADR)、インテル(INTC、NASDAQ)、マイクロン・テクノロジー(MU、NASDAQ)、アドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD、NASDAQ)、エヌビディア(NVDA、NASDAQ)、アプライド マテリアルズ(AMAT、NASDAQ)、ASMLホールディング(ASML、アムステルダム、NASDAQ)、KLA(KLAC、NASDAQ)、シノプシス(SNPS、NASDAQ)