業況悪化に抵抗力、ガラス価格の下落見通しも21年業績を楽観

現地コード 銘柄名
00968

信義光能控股

(シンイー・ソーラー)

株価 情報種類

 17.06HKD
(3/2現在)

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 BOCIは太陽光発電用ガラス価格が21年末までに30%超下落するとの予測を示し、ガラス製造大手、信義光能控股に対する投資心理の後退や収益見通しの下方修正を招く可能性があるとしている。ただ同時に、こうした局面は数少ない投資チャンスにつながるとの見方。長期的なシェア拡大観測や21年決算の予想上振れの可能性をその理由に挙げた。SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続。同社の利益獲得能力が業況サイクルを凌駕(りょうが)するとみて、引き続き高く評価している。

 BOCIは20年11月-21年2月のピーク期との比較で、厚さ3.2mm、2.0mmタイプのガラス価格が年内にそれぞれ38%、34%以上、値下がりすると予想。また、新規生産施設の稼働を受け、中小ガラスメーカーが価格決定力を失い、同社を含む大手2社が焦点となるとみる。同業他社の設備投資意欲を削ぐために、この2社が平均価格レベルを一定水準に保つ見通しという。

 実際、同社経営陣は20年本決算発表後のカンファレンスコールで、「事業環境を考慮しつつ、長期の市場シェア拡大に向けた価格決定方式を用いる」方針を表明。21年の販売価格に関しては、厚さ3.2mmタイプで1平方メートル当たり30元を割り込む可能性が相対的に高いとした。この数字はほぼBOCIの予想通り。仮に26元まで下落しても、同社の粗利益率は40%近い適正水準を維持するとみて、30元弱という価格見通しは採算面から許容範囲内だと指摘している。

 BOCIは引き続き、太陽光ガラス銘柄が最も堅実な投資選択肢の一つになるとの見方。技術チェーンの分断や費用曲線の急斜化に対する抵抗力の強さをその理由に挙げた。ただ、投資家が売り上げ動向に目を向ける中、同社株価がこれまでガラス価格と連動してきたことに言及。ガラスの平均販売価格が下がり、1平方メートル当たり30元を割り込む事態ともなれば、株価も軟調推移する可能性は十分あるとしている。

 ただ、1-2月の高止まりを理由に、ガラス価格がこの先ピーク時から大きく下落しても、21年通年の平均価格は前年を14%上回ると予想。利益率の改善を受け、21年の同社利益は市場コンセンサス予想を上回る見通しを示した。株価調整後の21年6月中間決算の発表前、あるいは10-12月中の買い増しが選択肢になり得るとしている。

 BOCIは平均価格と販売量に関する想定値引き上げを受け、21年の利益見通しを20%増額修正した。一方、22年に関しては逆の理由で10%減額修正。SOTP方式に基づく目標株価を引き上げた上で、株価の先行きに対して強気見通しを据え置いた。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、太陽光発電需要あるいはガラス平均販売価格が予想を下回る可能性を挙げている。