1月の業務統計、“ジャンプスタート”で生保の初年度保険料が好調
本土保険銘柄の21年1月の業務統計が出そろったが、うち生保各社を見ると、初年度保険料が全般に好調だった。中でも中国太平洋保険(02601)と中国平安保険(02318)の伸び率が上位。20年10-12月の段階から、21年年初の「開門紅」(ジャンプスタート)キャンペーンに照準を合わせる戦略が奏功した。本土保険会社にとっては例年1-3月が「開門紅」と呼ばれる最大の稼ぎ時となる。一方の損保部門では、自動車保険改革による打撃が長引き、1月も個別に苦戦。特に中国平安保険の損保部門である平安財産保険が低調だった。BOCIは保険セクター全体に対する強気見通しを継続し、カバー銘柄8社のうち、中国太平洋保険を除く7銘柄の株価の先行きに対して強気見通しを付与(中国太平洋保険株は中立見通し)。向こう12カ月のタームで、新華人寿保険(01336)と中国人寿保険(02628)をトップピック銘柄としている。
まず生保部門では、中国平安保険を除く各社の総収入保険料(GWP)が1月にプラス成長を達成し、「開門紅」(ジャンプスタート)を体現した。個別では、中国人寿保険と新華人寿保険のGWPがいずれも前年同月比13%増加し、同業銘柄をアウトパフォームした。各社の営業が1月後半から一時的に重度疾病保険に重点をシフトする中、BOCIは2月もこの勢いが続くとみている。
生保の1月の初年度保険料では、中国太平洋保険と中国平安保険の伸び率が上位とされている。両社の前年同月実績の低さや、他社に先駆けて21年の「開門紅」キャンペーンに備えたことなどが寄与したもよう。うち中国平安保険の初年度保険料は前年同月比34%増。中国太平洋保険の初年度保険料は、BOCIの推計で45%増と、伸び率でトップに立った可能性が高いという。
このほか、新華人寿保険は前年同月実績が高かったにもかかわらず、1月のGWPが13%増加。初年度保険料の伸びが10%台半ばから後半に達したことを示唆した。半面、中国人民保険(01339)の初年度保険料は13%減。その前2カ月間にわたって力強い伸びを示した一時払い商品の勢いが後退したことが響いた。
一方、損保部門では自動車保険改革の影響が続き、1月も苦戦。中国人民財産保険(02328)の自動車保険のGWPは前年同月比11%減、平安財産保険のGWPも19%減少した。半面、中国太平洋保険の自動車保険ビジネスは健全。中国人民財産保険、平安財産保険がそろって信用・保証保険のリスク低減策を進めたこともあり、損保全体の1月のGWP伸び率では、中国太平洋保険(6%増)が同業銘柄をアウトパフォームした。
このほか、中国のインシュアテック大手、衆安在線財産保険(06060)の1月のGWPは20%の伸び。BOCIは引き続き、生保商品の需要増やオンライン販売の堅調が同社の追い風になるとみている。