3.ユニオン・パシフィック(UNP)

・何の会社?

 鉄道会社の一角です。米国の西海岸やメキシコ湾などの西部から、中部、東部につながるゲートウェイを結ぶルートを展開しています。輸送の対象は建設資材、食品、自動車など多岐にわたります。

・業績は? 

 鉄道会社は石炭や原油関連の需要に左右される面がありますが、比較的安定した業種です。2020年度は2%の減益にとどまりました。会社側は2021年度の見通しについて、輸送数量の増加と(プラス4~6%)、生産性の向上などにより、営業利益率が1.5%から2%改善する見通しを示しました。輸送数量は、バイデン政権の施策によって上振れする可能性があります。

・なぜ注目?

 今年の経済回復の恩恵を受ける可能性が高いうえに、収益規模が鉄道会社の中でも大きく、収益性が高く、キャッシュフローを着実に生み出す企業であるためです。2020年は営業利益率が40%強、ROE(自己資本利益率)が30%強でした。配当も増配傾向で、足元の配当利回りは2%弱ほどあります。

4.クアンタ・サービシーズ(PWR)

・何の会社?

 電力会社の変電設備、再生可能エネルギー施設、通信会社の設備の設計やメンテナンスを手掛ける特殊工事請負会社です。また、原油や天然ガスのパイプラインも手掛けます。

・業績は?

 ここ数年の利益は右肩上がり。調整後EPSは二桁増益が続いており、2020年度も15%増で着地しました。顧客である電力会社の設備の老朽化などが追い風になっています。今後も、電力会社のクリーンエネルギーへのシフト、並びに、電力会社の技術者の高齢化を背景にしたインフラ設備のアウトソーシング化(同社への委託増加)により、事業が拡大する可能性が高いです。

・なぜ注目?

 バイデン政権のクリーンエネルギー推進に後押しされた電力会社が、火力発電所から風力発電所などへのシフトを強める可能性があります。その場合、同社への設備設計の委託増加が期待できます。

5.ヴァルカン・マテリアルズ(VMC)

・何の会社?

 建築骨材大手です。建造物に使う骨材(モルタルやコンクリートの調合に必要な砂や砂利)や、アスファルト混合物を販売しています。

・業績は?

 調整後EPSは、2013年度以降右肩上がりに増加しています。2020年度は利益が微減となりましたが、足元では、住宅建設の需要が堅調に推移しています。コロナ禍を受けたコスト削減を進めており、市場予想では今期以降利益の拡大が続く見通しです。

・なぜ注目?

 政府のインフラ投資が実現すれば、各種設備の建設や高速道路の改修などから恩恵を受けると考えられます。