1.キャタピラー(CAT)

・何の会社?

 世界首位の重機メーカー。建設や鉱業に使う掘削機やトラクターや、ディーゼルのエンジンを製造しています。米国の売上は約44%(2020年12月期)。

・業績は?

 世界の鉱山の開拓需要や建設需要に業績が大きく左右されます。2020年度の調整後EPS(1株当たり利益)は、前期比41%減と苦戦しました。ただし、キャッシュフローは比較的安定しており、2020年の営業キャッシュフローは8%減にとどまっています。長期債務の急増もなく、増配も継続できている優良企業です。

・なぜ注目?

 今期以降はコロナ禍が過ぎ去り、世界経済が回復に向かうなかで業績が回復する見込みです。バイデン政権のインフラ投資が実現すれば、さらにトップラインが伸びる可能性があります。世界首位の実力と収益力を備えていることから、シクリカル銘柄のなかで保有したい代表的な銘柄です。なお、足元の予想配当利回りは2%弱あります。

2.トリニティ・インダストリーズ(TRN)

・何の会社?

 鉄道車両のリース大手。貨物列車やタンク型車両を、鉄道会社、輸送業者に貸し出すほか、第三者が保有する車両のリース管理も行っています。自社保有、第三者保有、合わせて12万5,000両以上の車両を展開。その他、鉄道に利用する機材や、高速道路のガードレイルなども製造しています。

・業績は?

 鉄道車両のリースは、マクロ環境の影響を大きく受けます。レンタルではなくリースであるため賃貸借の期間が長く、鉄道会社、輸送業者側の需要は読みづらいです。需要と一致できないと、車両在庫の積み上がりや老朽化、稼働率の低下といったリスクが顕在化します。

・なぜ注目? 

 マクロ環境の急回復によって、同社の業績も急改善する可能性があります。2020年度は調整後EPSが56%減と大苦戦しましたが、足元では農業や消費関連の輸送に回復の兆しがあります。バイデン政権の経済刺激策やインフラ投資によって、回復傾向が今後もサポートされる可能性があります。会社側は今期の明確なガイダンスを公表していませんが、各種のコスト削減を進めており、2021年後半の収益性改善に自信を示しました。長期保有には向いていない銘柄ですが、この局面では投資妙味がある銘柄と言えます。